トップページ特集ぴっくあっぷ大学活動情報大学探訪キャンパスライフ

もくじ
クリックすると各記事の先頭に移動できます
line

Chapter01

田崎良佑(たさき りょうすけ)/機械工学系 助教
7月1日付けで、機械工学系の助教に着任しました。これまで主に鋳造プロセスの自動化、液体挙動(圧力や流れ)の制御に関する研究に従事してきました。製造機械を知能化することで、自動工場でロボットが職人さんのように巧みなモノづくりを見せる時代を創ろうという考えです。最近では、サービス・医療支援のロボット開発に取り組んでいます。社会貢献に優れる研究成果・技術づくりに一意専心に努める所存です。どうぞよろしくお願いします。
この記事に対してレビューを書く
ページトップへ戻る
line

Chapter02

松岡常吉(まつおか つねよし)/機械工学系 助教
こんにちは、2012年12月に機械工学系の助教として着任しました。これまで私はハイブリッドロケットモータの研究に従事していましたが、今はより基礎的な燃焼現象の解明に興味を持っています。燃焼現象は流体と化学反応が同時に関与する複雑な系ですが、これを理解しエネルギー問題の解決やロケット開発まで実生活に役立てる研究をしていきたいと思っています。

修士課程まではタンパク質工学の研究をしていたこともあるので、バイオと宇宙工学の融合にも興味があります。興味のある方はぜひ研究室までおいでください。コーヒーぐらいはお出しします。
この記事に対してレビューを書く
ページトップへ戻る
line

Chapter03

齊藤大樹(さいとう たいき)/建築・都市システム学系 教授
齋藤大樹2012年11月より建築・都市システム学系教授に着任致しました。それまでは、茨城県つくば市にある独立行政法人建築研究所の上席研究員として、組積造から超高層まで建築物の耐震問題に広く関わってきました。海外で技術指導をする機会も多く、とくに東欧のルーマニアには2年8か月ほど滞在し、ルーマニア国立地震防災センターの設立に関わりました。国内では、長周期地震動に対する超高層建物の安全性に関して解析と実験の双方から取り組んでいます。どうぞよろしくお願いします。
この記事に対してレビューを書く
ページトップへ戻る
line

Chapter04

岡辺拓巳(おかべ たくみ)/建築・都市システム学系 助教
はじめまして。2012年10月に着任しました。波や流れで生じる海底土砂の移動をモニタリングするために、沿岸の地形変化を効率良く計測する方法を研究しています。豊橋は三河湾(内湾)と表浜(外洋)という表情の違った海に面していますし、北部には豊川、東に行けば浜名湖(汽水湖)もあり、多様な水環境に囲まれていて自然が豊かです。海のことを研究するにはとても恵まれた大学です。海岸侵食など、この地域の海が抱える環境や防災の課題を一つでも多く解決できるように頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
この記事に対してレビューを書く
ページトップへ戻る
line

Chapter05

笹尾洋介(ささお ようすけ)/総合教育院 講師
2012年10月に着任いたしました。京都大学で学部と修士を修了し、ニュージーランドのVictoria University of Wellingtonで博士課程を修了しました。私の専門は、外国語教育、特に英語の語彙習得と文法指導です。外国語学習には、文法を理解すること、および語彙を増やすことが極めて重要な役割を果たします。最新の研究成果を織り交ぜながら、ともに英語を学んでいきたいと思います。特に、言語を学ぶ「おもしろさ」を共有できればうれしく思います。
この記事に対してレビューを書く
ページトップへ戻る
line

Chapter06

三枝亮(さえぐさ りょう)/人間・ロボット共生リサーチセンター 特任准教授
今夏(2012年夏)に、イタリアから帰国しました。

ジェノバでのある日のこと。天気の良い昼休みに、同僚たちと公園にランチを持って出かけました。すると同僚のひとりが、パニーニを頬張りながら、おもむろに玉やクラブを鞄から取り出し、空に向けて投げ始めました。ジャグリングです。5つ、6つものボールが宙に舞い始めると、彼はいつの間にか子供たちに囲まれていました。その光景がなんとも素敵だったので、数日後、私もジャグリングの真似事を始めてみたのですが、やってみると、3つの玉は数日で投げられたものの、4つの玉に慣れるまでには1年近くかかりました。それから数年経ちましたが、まだ5つの玉を上手に投げられません。どうも、玉の数がひとつ増えるごとに、それまでの何倍もの練習が必要になるようなのです。

学びが単調に進むことは意外と少ないようで、学ぶほど物事が簡単になったり、逆に難しくなることもあります。これまで、人から教わったり自ら試行錯誤して育つようなロボットの知性と感性を研究してきました。帰国後の新しい環境でも、ロボットたちと同じように、私自身も学びの模索が続きそうです。
この記事に対してレビューを書く
ページトップへ戻る
line

Chapter07

小畑繁昭(おばた しげあき)/次世代シミュレーション技術者教育推進室 特任助教
2012年12月10日付で次世代シミュレーション技術者教育推進室の特任助教として着任しました。

私は、計算化学、主に分子力学法に基づく結晶構造解析や結晶構造予測、またそれらのための新しいシミュレーション技術の開発を行っています。また、有機デバイスやナノマテリアルを対象とした古典分子動力学シミュレーションも行っています。今まで、大学での勤務経験はありませんが、これまでの研究/人生経験を活かしつつ、真摯に教育研究に取り組み、次世代シミュレーション技術者を育成していきたいと思いますので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
この記事に対してレビューを書く
ページトップへ戻る
line

Chapter08

学生諸君そして研究・・・/環境・生命工学系 教授 木曽祥秋(きそ よしあき) 
旧建設工学系に助手として着任したのは、1981年でした。1994年にエコロジー工学系に移り、2010年の学科再編により環境・生命工学系の所属となりました。学生のことで忘れられないのは、スペインでの学生のバス事故です。1991年の湾岸戦争のさなかに研究室の学生2名が旅行先でバス事故に遭い、1名死亡、1名重体という痛ましい事態が発生しました。当時の佐々木学長から現地に行くように指示され、事故の報道があった当日の14時過ぎ、着の身着のままで新幹線に乗り、成田から学生の家族と一緒にセビリヤに向かいました。為すべきことが判らないまま行きましたが、少なくとも現地で学生の家族に寄り添うことができたことについて、学長の配慮に大いに感謝しました。

建設工学系では、主として土木出身の学生の研究指導でありましたが、エコロジー工学系では学生の出身分野は極めて多様でした。例えば、土木、建築、化学、生物、電気・電子、情報、航海などがすぐにでも思いつきます。すべての学生が希望して研究室に来てくれたこともあり、新たに取り組む水処理やその関連技術の研究に必要な基礎的分野の学習も積極的でした。多様な分野の学習歴をもつ学生諸君の集まりの故かと思いますが、同級生や先輩後輩の間で質問したり教えあったりすることに抵抗感が少なく、新しい分野に積極的に取り組めるのは若さ故であるのでしょう。時には問題を抱えましたが、和やかな研究室であったことはありがたいことでした。

研究は水処理に関するもので、膜分離法を中心に、生物処理(有機汚濁物除去)や物理化学的処理(リン・ヒ素除去)やそれに必要な分析法などの研究を進めてきました。膜分離法では、海水を淡水化に使用される逆浸透(RO)膜やナノろ過(NF)膜による微量有機汚染物質除去と、膜分離の基礎理論に関する研究を一貫して行ってきました。膜分離には溶質分子の形状が影響することは1970年代から既に指摘されていましたが、皆が避けたテーマでした。3年前にやっと新しい膜分離モデルを提案することができ、膜分離機構研究の入り口が準備できたと自負しています。

膜は多様で、家庭の浄水器には精密ろ過(MF)膜が使用されています。このような性能の膜を排水処理に利用したのが膜分離活性汚泥法(MBR)で、現在、世界中で普及しつつありますが、1980年代中頃に我が国で世界に先駆けて実用化されました。この時期の開発研究のグループと一緒に仕事ができ、排水の生物処理についても本格的に取り組めました。膜の代わりに微細なメッシュを用いても同様な処理が可能であることを示し、特殊な排水にこそメリットが活かせると考えて研究を進めました。生物処理で発生する余剰汚泥を、この装置を用いてさらに分解処理できることを示しました。このコンセプトを応用して、従来よりもずっと小型で安定性の高い浄化槽が開発され、現在急速に普及していることはありがたいことです。

水処理の研究を進めるためには、目的にあった分析方法を開発する必要がありました。高速液体クロマトグラフ(HPLC)で農薬等を簡易に精度よく測定する方法や、栄養塩類といわれる窒素・リン測定用の検知管、特殊な装置を使用しないリンやヒ素の超高感度測定法の開発などに取り組むことができました。

このように楽しく研究を続けることができました。学術的な支援をいただいた教員ならびに職員の方々とOB諸君による賜であり、深く感謝しております。最後に、皆様の今後のご活躍と本学のさらなる発展をお祈りします。
この記事に対してレビューを書く
ページトップへ戻る
line

Chapter09

定年を迎えて/総合教育院 教授 山本淳(やまもと じゅん)
1986年8月に本学に職を得て一年ほど経った頃だと思う。人文・社会工学系の若手を中心に各自が取り組んでいるテーマを紹介し、それをネタに分野の垣根を越えて議論する会で話をしたことがある。

オイディプスという古代ギリシアの英雄が含意するものは何か、がテーマだった。私はこの人物をドイツの哲学者ホルクハイマーやアドルノに倣って最初の啓蒙推進者、そして啓蒙の陥穽の犠牲者と解釈してみたのだった。つまりいわば既製の理論を応用したまでであり、そのためある意味で気楽に取り組める課題だった。

しかしはじめてソフォクレスの悲劇『オイディプス王』を読んだ18か19歳の時は、とうてい気楽になど構えていられなかった。なぜこのようなことが起こるのか。個人の意思や意図の外側で人を思わぬ方向にさそう未知の力などあるだろうか。そんなこと起こるはずがないと、むきになって抵抗しながら、その反面で恐怖の魅力に脳髄が震えた。

この会でオイディプスの意味を語ったとき、したがって私は青年時代の強烈な体験を素通りして物語を解釈可能な形に変換していたのだ。ところがこのテーマを話題にしたことで、かつて心に突き刺さった印象がまた蘇ってきた。それから二十数年後、60歳を超えて私は『オイディプスのいる町』という本を出すことになる。

その間に私はアドルノからもヘーゲルからもフロイトからも自立した自分なりの考えをまとめ、独自のヘルメノイティクを展開できるようになっていた。かつて味わった恐怖感の一端ぐらいは、学問的に理解できるだろうと思えたのである。

私が『オイディプス王』の本質を何に見たかは拙書を読んでいただくしかない。いずれにしてもそれは、文学をはじめとする芸術を芸術たらしめている漠然とした不安、錯綜する欲望、隠れた恨みや嫉妬等々、人間を行為させる主観的な諸力の作用とそのメカニズムを解明しようとした私のテーマの一環をなしている。

上にご紹介した私のテーマにしても他のどの関心事にしても、工学とは直接的な関係がない。こうした問題と格闘する人間がそこにいる意味があるとすれば、本学がまだウニウェルシタスの意味を忘れていないからだろう。事実私はその恩恵にあずかった。気の向くまま様々な問題に取り組め、幸せだった。そればかりか、大学の仕事に時に懐疑的になる私を勇気づけてくださる大先輩がいた。佐々木慎一先生、冨田弘先生。お二人とも鬼籍に入られてすでに久しい。また多くの先輩がいろいろな形で応援してくださった。よき僚友にも恵まれた。特に浜島昭二先生とは、時に口角に泡を飛ばしながら終始共同して仕事ができた。

しかし講義を聴いてくれた学生たちは得る物があっただろうかと自問すると、いささか不安だ。そんな気持を抱えての退場だが、だからこそそれが、これからの私のエネルギーになるような気はしているのである。
この記事に対してレビューを書く
ページトップへ戻る
line

Chapter10

「言葉」に思いを託して/広報係長 宮城智明(みやぎ ともあき)
今年のNHK大河ドラマとして、幕末会津出身である新島八重の生涯を描いた「八重の桜」が始まりました。このような番組が放映されることで、舞台となった福島には観光客も見込まれ、被災地復興支援の一助となることも期待されていますが、新島八重を表現するキーワードのひとつとして「戊辰戦争」が挙げられます。明治新政府側の勝利に終わったのは周知の事実ですが、盛者必衰の道理は、平家物語以来永遠のテーマなのかもしれません。明治新政府側として会津藩と対峙した西郷隆盛は、数年後、新政府内部の権力闘争に敗れ、薩摩に戻ります。その後、西郷隆盛を追って中央政府から薩摩に派遣された密使が捕まり、来訪理由を問い詰められるのですが、そこで密使が発した単語が「シサツ」。「刺殺」なのか「視察」なのか。激高した薩摩の人々は前者の意味と捉え、西南戦争の一因ともなった、と本で読んだことがあります。つくづく日本語とは難しいと思います。特に日本人の場合、between the lines、「行間を読む」能力を求められることが多いのも事実。しかし、それ故に俳句や川柳などが確固たる地位を得たのかもしれません。    

日本文学の隆盛に代表される、言葉に思いを込め、大切にする姿勢は、繊細で惻隠の情を重んじる「もののあはれ」の感性とともに、我が国の国民性なのかもしれません。

広報部門では「どのような広告表現だと大学をPRできるか?」「Facebookページの記事にいかに親しみをもたせるか」等々、日々、多くの活字に目を通し、そして思いを巡らします。内実を伴わない、彩り溢れた言葉ほど空虚なものはありません。しかしながら、技科大では高度な教育研究が展開されているからこそ、それらをいかに表現し、どのように訴求していくのか、という点が問われるのだと思います。そのような思いを職務上の使命感に昇華させ、今後も広報活動に取り組んでいきたいと思います。
この記事に対してレビューを書く
ページトップへ戻る
line