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特集

もくじ
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Chapter01

特別推薦入試について/学長 榊佳之(さかき よしゆき)
背景
本学は高等専門学校の卒業生を更に高度な技術者に育成する大学として1976年にスタートしました。以来、教育体制を整備し、ユニークな「らせん型教育」システムを確立し、優れた人材を社会、特に産業界に送り出してきました。しかし、今世紀に入り情報通信技術などの飛躍的な発展によって世界は急速に「フラット化」し、新興国の台頭による経済・産業の国際競争の激化、地球規模でのエネルギー・環境問題、食糧問題の顕在化など国際情勢は大きく変化し、日本は厳しい状況に置かれています。この厳しい状況の中で日本がこれからも活力を保ち、国際社会で存在感を持って活動、貢献するためには、これまで世界を先導してきた技術・科学の力、特に技術力が重要な役割を果たすと予測されます。そして10年、20年先を見据えれば、その技術力を担う優れた人材を育成することが特に重要であり、技術科学を通しての社会貢献を使命とする本学もその一端を担わなければなりません。

本学の取り組み

本学は日本の将来を見据え、第2期中期目標・中期計画を機に教育研究組織の再編を行うと共に、次代を担う技術科学者の育成を目指して「卓越した技術科学者養成プログラム」や「テーラーメイド・バトンゾーン教育プログラム」など様々な取り組みを進めてきました。特別推薦入試制度はその一環であります。様々に困難な課題を抱え、閉塞感すら漂う我が国にとって、次の新しい時代を拓く意欲と能力を持った人材の育成は極めて重要ですが、この特別推薦入試制度は特に「将来のリーダー、パイオニアとなりうる人材の育成」を目指しています。そこでは「資質、将来性」を重視することから、まず高等専門学校の校長先生に将来のリーダーになりうる資質がある学生を推薦していただき、本学の学長(私)と2名の理事・副学長が直接に面接・口頭試問を行い選考しております。これまで2回の応募者はいずれも見るべき資質の持ち主であり、選考は容易ではありませんでしたが、成績や将来性を総合的に判断し合格者を決定しました。

特別推薦入試による入学者を対象とする学長ゼミの様子
育成プログラム
特別に推薦され、選考された学生達をしっかりと育て上げるのは本学の責任と重く受け止め、特別のプログラムを準備しています。基本的には(1)技術科学における深い専門性の育成、(2)物事への幅広い視野と確かな判断力の醸成、(3)グローバル社会に求められる語学・コミュニケーション能力と国際感覚の育成、以上3つの視点から育成プログラムを組んでいます。もちろん、これらのプログラムは全てをカバーするものではありませんが、学生達が将来のリーダーへ向けて成長する基礎力をしっかりと与えたいと思っています。リーダー、パイオニアは自然に生まれてくるものではなく、本人の資質、適切な教育・訓練、そして不断の努力と様々な経験などが積み重なって生まれてくるものであり、本プログラムをベースに学生達が様々なことに挑戦し、経験し、不断の努力を続けることを期待しています。

なお、このプログラムの相当部分は特別推薦学生を優先しつつも、「卓越した技術科学者養成プログラム」のもとで他の意欲ある学生も参画できるようになっております。本プログラムのもと、学生諸君が互いに切磋琢磨して成長することを期待しています。
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Chapter02

特別推薦入試による入学者への教育的支援について/理事・副学長、卓プロ推進委員会 委員長 神野清勝(じんの きよかつ)
特別推薦入試による入学者への教育的支援について

「次世代のリーダー」となる資質を備えた学生を選抜する特別推薦入試では、受験できる学生は以下の条件を満たしている必要があります。
1)高専の校長先生が責任を持って推薦できる者
2)人物・学力が極めて優秀で心身ともに健康な者
3)全体の評定平均値4.3以上で4年次の成績席次順位が各学科で3位までの者

24年度入試では、52名の応募者から15名が選抜されて本学に入学しています。これらの学生を次世代リーダーの候補者として育成するに際して、どのような視点からの教育が必要か、学内で多くの議論を重ねた結果、15名の学生には下図に示すような特別な教育的な支援を実施することになりました。
 
教育的支援には、将来リーダー技術者に要求されるであろう3つの柱があります。専門技術分野での高い専門性と多くの知識、そしてものづくり能力、グローバルな世界で活躍できる視野とコミュニケーション能力、そして人文、社会科学も含めた教養あふれる知識等です。教育的支援の詳細は以下のようです。

1.3年次からの研究室配属

(1)目的
早期に研究室配属する目的は、「自ら興味のある研究を通して、4年次で取り組む卒業研究を3年次から体験することにより、履修する専門科目の学習が現実の諸課題の解決にどのように役立つかを理解し、かつ研究遂行のための能力を習得し、専門分野の基本を理解できることにあります。

また、3年次に調査、解析・実験を行うことで、実践的な課題への取り組み、発想力・自主性・積極性、プログラムの設計・作成能力、他の学生との協調・協働能力、プレゼンテーション能力を早期に養うことが可能になります。

(2)配属要項
希望者は3年後期には必ず配属することとし、前倒ししての配属については課程ごとに取扱いが異なる。
募集=原則として3年前期終了までに募集(前倒しして配属する場合は課程ごとに募集時期が異なる。)
選考=真にやむを得ない場合を除き、学生が希望する研究室に配属する。
留意事項=希望研究室の選択等において、学生が自主性をもって手続きを行うよう配慮する。

2.コミュニケーション及びプレゼンテーション能力を養う英語教育

(1)目的
海外研修に必要なコミュニケーション及びプレゼンテーション能力を養うため、週に2回の通常英語授業に加えて、3年次後期には毎週1回の英語特別授業を開講します。
特別推薦入学者は全員がこの特別授業を受講するものとし、かつ海外研修参加申請の必須条件とします。

(2)授業の構成
<3年次前期>
TOEIC IPテスト(4月2日に実施)の結果に基づいてクラス分けした、通常の3年次英語授業(火曜日2限:reading、金曜日2限:grammar)を受講し、読解力と文法力を身につけます。
また、授業外にe-ラーニングによる自学自習用英語教材(ネットアカデミー2:NA2)を活用して、語彙力、作文力等を養い、必要に応じて英語教員から個別指導を受けます。

<3年次後期>
毎週2回の通常英語授業を継続受講するほか、毎週1回ネイティブ・スピーカーによる英語特別授業を受講し、英語によるコミュニケーション、プレゼンテーションの力を強化します。ただし、この特別授業は単位を認定するものではありません。
授業内容の詳細については、前期の授業終了までに、特別授業担当教員が通知します。
<4年次前期>
4年次4月に受験するTOEIC IPテストの結果により、5つの学習目的別クラス(プレゼンテーション、スピーキング&ライティングI・II、TOEICテスト対策、総合英語)から一つを選択して受講し、自分に必要な能力の強化を図ります。クラス分けの詳細については、3年次後期終了までに英語教員が通知します。

(3)研修先例(いずれも本学協定校)

(4)大学院における海外研修
博士前期課程に在籍中、国際会議での発表を含む海外研修に参加することが義務づけられます。

(5)国際交流センター等で実施する各種講座の優先的受講(希望者)

3.幅広い視野を持つ指導的技術者資質の養成


(1)学長ゼミ
3年次前期、月曜日 第6時限 4月〜7月で5回開講
 
4.その他

(1)テーラーメイド・バトンゾーン講義の受講
(2)博士前期課程講義(英語特別コース含む)の受講と博士前期課程入学後の当該単位の認定
平成25年度からの実施に向け検討中です。
 
上記以外の教育的支援についても検討中であり、適宜追加改良していくことにしています。
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Chapter03

技科大に入学して/機械工学課程3年 古市平(ふるいち たいら)
大学生活も2ヶ月近くたち、徐々に新しい環境に慣れてきました。

私は高専では制御情報工学科に所属していて、特にロボット工学に注目していました。そこで、ロボット工学について更に勉強し、高度な研究を行いたいと思い、機械工学課程に編入学しました。機械工学という分野は、これまで私が勉強をしたことがあまりない分野なので、みんなについて行くのがやっとです。しかし、新しい分野で新しい知識を身につけていくのは楽しいですし、この科を志望して本当に良かったと思いました。

大学に入学して1月がたった頃、私は研究室見学に行きました。見学先は寺嶋一彦教授のシステム制御研究室でした。私はそこで、大学の研究というのが、とてもレベルの高いものなのだというのを改めて実感しました。高専の研究とは比べ物にならないくらいスケールが大きく、そしてその研究が地域と密着し、更には社会に貢献しているということに、私は感銘を受けました。どこの研究室に配属されるかはまだわかりませんが、高いレベルで研究を行い、技術者としてのレベルを上げていきたいと思います。

世界で通用する技術者になるためには、研究の他に、英語の学習も頑張らないといけません。幸いなことに、後期からの英語の特別講義や海外大学への派遣など、英語力をあげ、海外との交流をする機会を与えてもらえるので、これらを駆使して、世界に通用する技術者になれるよう、これからの大学生活に励んでいきたいと思います。
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Chapter04

技科大に入学して/情報・知能工学課程3年 田村秀希(たむら ひでき)
こんにちは。情報・知能工学課程3年田村秀希です。大島商船高等専門学校情報工学科を卒業後、本年度、第3年次特別推薦入試により、本学に入学しました。よろしくお願いします。

特別推薦入試は、技科大のウェブサイトを見て知りました。自分の入学の年度に課程が再編されて、特別推薦入試が実施されると知って、すごくいい時期に入学できるチャンスかもしれないと思いました。特別推薦入試合格による特典は、入学料、学部2年間の授業料免除や、研究室への早期配属の希望が可能など、とても魅力的でした。将来は高専・大学の教員になるという自分の夢を叶えるため、よし、特別推薦入試に挑戦してみよう!という熱い気持ちで応募したことを覚えています。書類作成、面接準備に多くの時間をかけて行いましたが、面接の時は緊張しっぱなしでした。

現在、入学してから2ヶ月が経っています。大学生活にも慣れてきて、最も忙しいと言われている学部3年の前期も半分に差し掛かろうとしています。講義や実験の時間を通してしっかりと勉学に励みながら、放課後や週末は友だちと課外活動や遊びに力を入れています。とても充実した大学生活を過ごしています。

また、研究室への早期配属を希望して、現在、人間の視覚や脳の研究を行なっている中内研究室(視覚認知情報学研究室)に所属しています。自分のとても興味のある分野だったことと、中内教授が高専・技科大を経て研究者になられていることから、自分の夢に大きく近づくと思い、希望しました。前期は講義の時間が多いため、まだ研究する時間が多く取れません。しかし、ミーティング等の研究室行事に参加し、研究室の雰囲気を知る貴重な時間を得ています。この時間を大切にし、今後の研究の礎にしたいと思います。

技科大は高専からの編入学生のための制度が充実しています。全国の高専生のみなさん、私たちと一緒に、技術を究め、技術を創る、立派な技術者になりましょう。
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