石井 仁(いしい ひろむ)
研究紹介
2010年より、NTTマイクロシステムインテグレーション研究所から豊橋技術科学大学に着任しました。NTT研究所では、極薄膜成長、化学気相成長、多層配線などのLSIデバイス・プロセス技術の研究開発を経て、シリコンをプラットフォームとする異種材料・異種機能融合デバイスの研究開発に従事しました。これら融合デバイスの研究では、化合物半導体とミリ波回路の融合デバイスやMicroelectromechanical Systems(MEMS)、主に、通信用のOptical MEMS、RF-MEMS、ユビキタスセンサーおよびセンサーへの自律給電用のPower-MEMSの研究開発を行ってきました。豊橋技術科学大学では、これまで蓄積した技術をベースに、光技術、CMOS-LSI技術を融合したBio-MEMSなど新たな集積化MEMSデバイスの研究開発を展開する予定です。
テーマ1:集積化MEMS技術による細菌迅速診断デバイスの開発研究
概要
近年、O-157 などによる細菌感染症が問題になっています。これら感染症の診断には、従来、高価で大きな装置が必要であったり、培養に時間がかかるなどの問題があります。そのために常時モニタリングなども行われていません。本研究では、細菌の産生する特殊な物質を光によって検知するとともに、その数までも迅速に知ることのできるマイクロチップを集積化MEMS技術によって開発することをテーマとしています。
キーワード
テーマ2:集積化MEMS技術による細菌行動制御デバイスの開発研究
概要
上記のようなマイクロチップの実現には、チップ内で細菌を集めるため、温度、pH、化学物質の存在など細菌を取り巻く環境をマイクロ空間の中で制御する必要があります。このためのマイクロ空間の環境制御技術の開発も行います。この技術は、細菌が環境の変化に応じてどの様な行動をするのかに関する新たな知見を得るためのマイクロチップ実現にもつながります。このような技術開発によって細菌行動学と言った新しい学問分野の開拓も目指します。この研究は他大学医学部との共同研究で進めます。