豊橋技術科学大学

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針谷 達(はりがい とおる)

所属 電気・電子情報工学系
職名 講師
専門分野 プラズマプロセス / カーボン系薄膜
学位 博士(工学) 高知工科大学
所属学会 応用物理学会 / 電気学会 / 表面技術協会 / ニューダイヤモンドフォーラム / 日本太陽エネルギー学会
E-mail harigai.toru.un@
※アドレスの末尾に「tut.jp」を補完してください
研究室web https://pes.ee.tut.ac.jp/harigai
研究者情報(researchmap) 研究者情報

研究紹介

 プラズマ技術は,照明や半導体製造プロセスなど,現代社会において欠くことのできない要素技術です。電気技術を用いて生成するプラズマは,様々な材料を合成・加工することが可能です。本研究室では,ダイヤモンドライクカーボン(Diamond-like carbon: DLC)とよばれるアモルファス炭素膜を主な対象材料に,新規薄膜作製法などの先進的プラズマプロセスの研究・開発に取り組んでいます。DLC膜は,作製条件により異なった機械的・電気的・化学的特性を示します。機械的特性の優れたDLC膜は,高い硬さと低い摩擦係数を有することから,摺動面にコーティングすることで,工業製品や工業プロセスの環境負荷低減および省エネ効果につながります。化学的に安定なDLC膜は高い生体適合性を持ち,ペットボトルの内面や歯科インプラントのインプラント体表面などに生体材料としてコーティングされています。

テーマ1:高摺動性硬質カーボン膜の超高速成膜

概要

 硬く,低い摩擦係数を持つDLC膜は,優れた機械的表面保護膜ですが,成膜速度が遅く,装置も複雑で高価なため,DLCコーティングされた工業製品は,一部の高付加価値製品に限られています。より多くの工業製品へDLCコーティングが可能になれば,工業製品や工業プロセスの摺動部におけるエネルギー損失が低減され,大きな省エネ効果が生まれます。本研究室では,真空中のガス流を利用することで,従来手法より一桁以上速いDLC成膜方法を開発しています。機械的特性を保持したDLCの高速成膜技術の開発は,硬さと成膜速度がトレードオフの関係にあった従来のプロセスの常識を大きく変えるものになっています。

主な業績

[1] T. Harigai*, H. Ohhra, R. Tominaga, T. Bando, H. Takikawa, S. Kunitsugu, and H. Gonda, “Ultra-high-rate deposition of diamond-like carbon films using Ar/C2H2 plasma jet CVD in combination with substrate-stage discharge”, Japanese Journal of Applied Physics 61, SI1001 (2022).

キーワード

プラズマプロセス,プラズマCVD,ダイヤモンドライクカーボン,アモルファスカーボン,高速成膜

テーマ2:高生体適合性カーボン膜中の酸素量制御

概要

 化学的に安定な材料であるDLC膜は,人体への害が少なく優れた生体適合性を示します。また,DLC膜表面の酸素が細胞の付着性に影響を与えると考えられています。本研究室では,一酸化炭素(CO)プラズマを用いることで,膜表面だけでなく,膜中にも酸素を含んだDLC膜を作製しています。成膜条件を制御することで,膜中の酸素量を制御し,酸素量の増減によるDLC膜特性の変化を調べています。

主な業績

[1] 針谷達*,濱崎史帆,大浦曜,坂東隆宏,滝川浩史,國次信輔,「COプラズマへのHe混合によるDLC膜中酸素量の低減」,第39回プラズマプロセシング研究会/第34回プラズマ材料科学シンポジウム プロシーディングス,LO26-AM-A-05,p.100 (2022)

キーワード

酸素含有量,ダイヤモンドライクカーボン,アモルファスカーボン,生体適合性,プラズマCVD

担当授業科目名(科目コード)

電力工学II
電離気体
電気応用工学


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