研究シーズの泉

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EHD現象を応用し機械的動力を取り出す研究

EHDポンプに関する研究

ステータス 基礎 実証 実用化準備

概要

絶縁性液体に電場を印加すると液体中の余剰電荷に作用するクーロン力により流動が発生します。この流れは電気流体力学(EHD)流れと呼ばれており、近年、流動が生じやすい液体の発見・開発が行われ、EHD流れの応用研究が行われています。EHD流れの基礎的特性を実験と数値解析から明らかにします。

従来技術

羽根車やギヤ対などの回転により液体を搬送

優位性

可動部品がなく、流路内に設置した電極対への高電圧印加により液体を搬送。ただし、絶縁性液体に限定。

特徴

液体中に存在する余剰電荷に働くクーロン力によって引き起こされる電気流体力学的(EHD)流れは、冷媒循環用ポンプやアクチュエータの圧力源などとしての応用研究が盛んに行われています。 EHDポンプには以下の特徴があります。

  • 振動、騒音がない
  • 容易に小型化が可能
  • 電極構造がシンプル
  • 冷媒、油に適用可能

【研究成果】

様々なEHDポンプを開発し、また性能に及ぼす電極等の形状や液体物性の影響などを調べました。

  1. これまでに最大流量120ml/min、 最大圧力1.2kPaを達成しました。
  2. 液体の電荷注入の生じやすさにより最適なコレクタ電極の寸法・形状が異なることなど電極の寸法・形状とポンプ性能の関係を示すことができました。
  3. 液体の粘度が低いほどポンプ性能が高くなることなどを明らかにしました。
  4. 本研究で用いた数値解析手法により電気流体力学現象を利用する機器の性能予測や評価の可能性を示すことができました。
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電荷注入式EHDポンプ
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EHDシミュレーション
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MEMS-EHDポンプ
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EHDポンプイメージ

実用化イメージ、想定される用途

・冷媒循環用ポンプ
・局所的な流体制御、熱伝達促進

実用化に向けた課題

・耐久性の検証

研究者紹介

柳田 秀記 (やなだ ひでき)
豊橋技術科学大学 機械工学系 教授
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研究者からのメッセージ(企業等への提案)

この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談や、共同研究等をご検討の際にはご連絡ください。

知的財産等

掲載日:2021年06月03日
最終更新日:2021年06月03日