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 大規模地震に対する事業継続計画(地震対策BCP)
(平成27年3月 初版 策定)
(平成29年3月 第2版 一部改訂)
(令和8年3月 第3版 全部改訂)
目 次
 1 事業継続計画の定義        
 3 非常時優先業務         
 1 策定趣旨             
 3 基本方針             
 4 目標               
 2 被害想定(学内)         
 2 対象業務の範囲          
 1 災害対策本部の設置        
 2 災害対策本部組織        
 4 災害対策本部の任務        
 6 教職員参集体制          
 1 引継ぎの重要性          
 2 教育・訓練等          
 3 点検・改善           
 
Ⅰ 定義・効果・非常時優先業務
 
1 事業継続計画の定義
 大地震等の自然災害,感染症のまん延,大事故による突発的な環境の変化など不測の事態が発生しても,重要な事業を中断させない,又は中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための方針,体制,手順等を示した計画のことを事業継続計画(BusinessContinuity Plan,BCP)と言う。
 
2 事業継続計画(BCP)策定の効果
 災害発生時には,業務量が急激に増加し極めて膨大なものとなるとともに人員,物資,情報等の資源が減少,制約されるが,事業継続計画を策定することにより,業務の優先度による絞り込みを行い,非常時優先業務を適切かつ迅速に実施することが可能となる。
 具体的には,災害への初期対応について定めている個別マニュアルでは明確になっていない非常時優先業務の執行体制や対応手順を明確にすることにより,災害発生直後の混乱が軽減され,事業の継続・復旧に向け早期により多くの非常時優先業務を実施できることとなる。
 
3 非常時優先業務
 大規模な災害時にあっても優先して実施すべき業務が非常時優先業務である。具体的には,災害応急対策業務や早期実施の優先度が高い災害復旧・復興業務等のほか,事業継続の優先度の高い通常業務が対象となる。
 
Ⅱ 策定趣旨・地震対策BCPの位置づけ・基本方針・目標
 
1 策定趣旨
 平成23年3月11日に発生した東日本大震災では,これまでの想定をはるかに超えた巨大な地震により甚大な被害が発生した。それを受けて内閣府では,「南海トラフの巨大地震モデル検討会」を設置し,最大クラスの地震の想定を研究し,平成24年8月には,倒壊建物数や津波浸水域等,一定の被害想定を発表した。
 本学の位置する豊橋市では,南海トラフ及びその周辺の地域における境界を震源とする大規模な地震が発生することを想定した豊橋市南海トラフ地震被害予測調査(以下,「地震被害予測調査」という。)を平成26年8月に公表している。同調査によると豊橋市の震度は6~7,また,沿岸部では2.7~19mの津波が想定されており,本学においても揺れによる建物の損傷やライフライン停止等の被害が予想される。
 このような状況の中でも,学生・教職員等の生命を保護し本学の機能を維持するため,あらかじめ非常時優先業務を選定し,大学機能の維持・早期復旧のための事前対策として,南海トラフ巨大地震等大規模地震の発生に備えた「豊橋技術科学大学大規模地震に対する事業継続計画」(以下,「地震対策BCP」という。)を策定する。
 
2 地震対策BCPの位置づけ
 地震対策BCPは,被災により機能が低下し,利用できる資源(教職員,建物施設,資機材等)に制約がある状況下において,本学が行うべき業務(非常時優先業務)を継続,早期に復旧するために必要な資源の確保,配分等の必要な対策を事前に検討するとともに,災害時の資源管理や非常時優先業務の目標管理等,本学の緊急時の対応力を高めるための計画であり,愛知県及び豊橋市が策定する「地域防災計画」等各種計画並びに,本学防災関連規程及び関連マニュアルとの整合を図っていくものとする。
 
 
本学における防火,防災に関する学内規程及び計画等の目的・内容等は次のとおり。

関連計画等

(大学名省略)

目的・内容等

消防計画

消防法に基づき,防火・防災管理に関する必要事項を定め,火災の予防,火災・地震発生による人命の安全確保,被害の軽減及び二次的災害の発生防止のための計画。

防災管理規程

火災,地震その他自然現象により生ずる災害を未然に防止するとともに,災害による物的,人的被害を最小限にとどめるため,防災管理に関する必要事項を規定。

防火管理規程

火災を未然に防止するとともに,火災発生による物的,人的被害を最小限にとどめるため,消防法に基づき,防火管理に関する必要事項を規定。

地震防災管理規程

地震による災害の防止と被害の軽減を図るため,大地震発生時及び南海トラフ地震臨時情報発表時における地震防災管理に関する必要事項を規定。

大規模地震に対する防災マニュアル

豊橋市,愛知県及び近隣地域において大規模地震が発生した場合における,学生・教職員等の安全確保のための基本的な行動要領。

大規模地震に対する事業継続計画(地震対策BCP)

大規模地震に伴い想定した緊急事態が発生した場合における,学生・教職員等の安全確保,大学の重要業務の継続的実施,大学機能の維持及び早期復旧のための計画。

 
3 基本方針
 学生・教職員等の生命を保護し,大学の重要業務の継続的な実施及び大学機能の維持・早期復旧のため,以下の基本方針のもとに地震対策BCPを策定する。
(1)大規模地震が発生した際は,非常時優先業務のうち災害応急対策業務を最優先で実施し,次いで継続すべき優先度の高い通常業務を実施する。なお,非常時優先業務以外の通常業務については,可能な限り休止・縮小する。
(2)各系・総合教育院,研究所,センター,学内共同利用教育研究施設及び事務局の連携を密に,全学が一体となって非常時優先業務を実施する。
(3)非常時優先業務の実施に必要な人員,資源等は全学で調整し,必要な資源の確保と配分を行う。
 
4 目標
(1)学生・教職員及び来訪者等並びに施設の安全を確保する。
 ・避難誘導,安否確認,被害状況把握,法令等により安全な管理が定められている諸事項の安全の確保
(2)学生への教育環境を確保・維持する。
 ・授業時間確保,単位認定,学位等認定,推薦書・各種証明書の発行
(3)入学・卒業等に万全を期す。
 ・入試の準備・実施・合否発表,入学式・卒業式・学位記授与式の実施,進学・就職活動支援
(4)研究環境を維持,早期復旧する。
 ・研究施設の機能継続及び復旧,研究資産データの喪失防止・復旧
(5)地域社会との連携・復旧支援・協力
 ・地域住民の安全確保,復旧活動への支援
 
Ⅲ 被害想定
 
1 被害想定(豊橋市)
 豊橋市役所災害対応業務継続計画(令和7年7月改訂)では,平成26年8月に発表された豊橋市南海トラフ地震被害調査のうち,その発生確率や被害規模から次に発生する可能性の高い地震・津波モデルとして豊橋市がまず対策を講ずべき対象として考慮する必要がある『過去地震最大モデル』に基づき被害を想定している。
 
 以下,豊橋市役所災害対応業務継続計画抜粋

地震モデルの名称

豊橋市南海トラフ地震被害予測調査(H26.8公表)における過去地震最大モデル

 過去地震最大モデルの概要については以下のとおり。

地震の規模

内閣府にて検討中※1

最大震度

震度6強

津波到達時間※2

三河湾側

太平洋側

最短77分

最短7分

最大津波高※3

2.7m

6.9m

※1 愛知県が内閣府と方針等について相談しながら検討した震源及び波源モデルであり,愛知県との整合性を図るため準用。全体の地震規模等については,現在内閣府にて検討中。
※2 沿岸津波の到達時間は,高さ30cm の津波が地震発生後,陸域に最短で到達するまでの時間。
※3 最大津波高は,東京湾平均海面(T.P.±0m)から想定津波水位までの高さの最大値。なお,最大津波高には,初期潮位として三河湾沿岸における朔望平均満潮位(T.P.=1.0m)を加味して算出。
 
(1)地震動に関係する被害想定の概要
  ① 地震動
 
(2)地震被害予測結果
  ① 建物全壊・焼失棟数(過去地震最大モデル)
                                         (単位:棟)

区 分

冬・深夜5時

夏・昼12時

冬・夕方18時

地震動

5,475(93.46%)

5,475(90.98%)

5,475(61.09%)

液状化

122(2.08%)

122(2.03%)

122(1.36%)

津 波

204(3.48%)

204(3.39%)

204(2.28%)

急傾斜地崩壊等

18(0.31%)

18(0.30%)

18(0.20%)

火 災

39(0.67%)

199(3.31%)

3,143(35.07%)

建物被害総数

5,858

6,018

8,962

建物被害率

4.4%

4.5%

6.7%

※( )内の値は,建物被害総数に占める区分ごとの割合を示す。
※端数処理のため合計が各数値の和に一致しない場合がある。
※建物被害率は,建物総数133,174 棟に占める割合を示す。
 
  ② 人的被害(死者数)(過去地震最大モデル)
                                        (単位:人)

区 分

冬・深夜5時

夏・昼12時

冬・夕方18時

建物倒壊(うち屋内転倒物・屋内落下物)

272 (77.49%)

(20)

131 (64.22%)

(11)

197 (47.58%)

(13)

浸水・津波

74 (21.08%)

67 (32.84%)

67 (16.18%)

急傾斜地崩壊等

2 (0.57%)

1 (0.49%)

1 (0.24%)

火 災

3 (0.85%)

5 (2.45%)

148 (35.75%)

その他(ブロック塀の転倒,屋外落下物等)

0 (0%)

0 (0%)

1 (0.24%)

合 計

351

205

414

※津波による死者は,早期避難率が低い場合
※( )内の値は,死者数の合計に占める区分ごとの割合を示す。
※端数処理のため合計が各数値の和に一致しない場合がある。
 
  ③ ライフライン被害
   ⅰ 上水道

  機能支障(全給水人口375,982人)

上段:断水人口,下段:断水率

直後

1日後

7日後

1カ月後

373,300

99%

355,000

94%

228,000

61%

                                 95%復旧の目安:6週間程度
   ⅱ 下水道

機能支障(全処理人口280,000人)

上段:下水道機能支障人口,下段:機能支障率

直後

1日後

7日後

1カ月後

190,000

68%

198,000

70%

163,000

58%

25,000

9%

                                 95%復旧の目安:6週間程度
   ⅲ 電力

機能支障(全需要家数205,000戸)

上段:停電戸数,下段:停電率

直後

1日後

7日後

1カ月後

182,000

89%

165,000

80%

2,800

1%

300

0%

                                 95%復旧の目安:1週間程度
   ⅳ 通信
    ア)固定電話

機能支障(全回線数72,000)

上段:不通回線数,下段:不通回線率

直後

1日後

7日後

1カ月後

64,000

89%

59,000

81%

2,300

3%

1,200

2%

                                 95%復旧の目安:1週間程度
    イ)携帯電話

機能支障

停波基地局率

直後

1日後

7日後

1カ月後

3%

81%

5%

3%

                                 95%復旧の目安:1週間程度
    ⅴ ガス
     ア)都市ガス

  機能支障(全需要家数71,000戸)

上段:復旧対象戸数,下段:供給停止率

直後

1日後

7日後

1カ月後

22,000

30%

22,000

30%

17,000

23%

                                 95%復旧の目安:2週間程度
     イ)LPガス

需要世帯数

機能支障世帯数

機能支障率

62,000

13,000

21%

                                 95%復旧の目安:1週間程度
    ④ 生活支障等
     ⅰ 避難者

 

1日後

1週間後

1カ月後

避難者総数

42,535

86,245

34,413

 避難所避難者数

26,213

44,719

10,321

 避難除外避難者数

16,322

41,526

24,092

     ⅱ 帰宅困難者(豊橋市全体) 昼・12時発災

目的別の帰宅困難者数

職場や学校など

所属先のある者

私用等の目的で

外出している者

合 計

約20,000~23,000

約7,400~8,300

約27,000~31,000

 
2 被害想定(学内)
 前述の「豊橋市役所災害対応業務継続計画(令和7年7月改訂)」に記載されている豊橋市における被害想定を参考に,本学において予測される被害を以下のとおり想定する。
 ただし,実際に発生する地震の規模,揺れや火災等の発生状況は,必ずしも想定どおりとなるとは限らない。
 
表1 想定ケース

 

想定するパターン

備 考

震 度

震度6強

過去地震最大モデル

人 数

2,854人

(学生2,206人,教職員648人)

2025.8.1現在

建物棟数

100 棟

2025.8.1現在

建物面積

117,553 m2

2025.8.1現在

表2 学内の被害想定

建物被害

(室内を含む)

・全棟耐震化済みのため倒壊はしないものの,外壁・柱等にひび割れ,天井・窓ガラス・電灯などの落下あり。

・固定していない家具,冷蔵庫等は転倒又は迷走,机上のパソコン,本・ファイル等の落下あり。

・火気使用中の場合は火災発生の恐れあり。

人的被害

・負傷者の発生。

・発災時の状況(落下物・転倒物の直撃,高所からの転落等)によっては死者発生。

設 備

・実験機器,パソコンの破損・故障あり。

 

ライフライン

復旧目安  ※豊橋市全体の95%復旧目安を参照

上水道

6週間程度 発災直後は道路被害等により断水。

下水道

6週間程度 復旧までトイレは使用禁止。学内の下水管被害によっては長引く恐れあり。

電 力

1週間程度 外部からの電力供給停止。復旧まで停電。

ガ ス

2週間程度 外部からのガス供給停止。

電 話

1週間程度 固定電話,携帯電話とも,輻輳により外部への通話はかかりにくい状態が続く。

インター

ネット通信

発災直後は学内通信設備の損傷,停電,外部ネットワーク停止等のため使用不可となる。

帰宅困難者等

 発災が平日日中の場合は,公共交通機関の停止,橋梁,道路損壊等により,帰宅困難が見込まれる学生・教職員の人数を以下のとおり想定。

・学生宿舎及び国際交流会館入居者を除く学生の80%,約1,000人。

・災害応急対策業務に従事する教職員100人を除く教職員(非常勤職員を含む)の50%,約300人。

・合計1,300人を想定。

 また,帰宅困難者の他,災害応急対策業務に従事する教職員100人,大学近隣からの避難住民100人の合計1,500人が最低一晩大学に留まるものと見込む。

 なお,学生宿舎,国際交流会館,ヴィレッジ天伯及びひばり荘に宿泊する者が,それぞれの居室で過ごせない場合は,さらに人数が増えることとなる。

 

Ⅳ 非常時優先業務の選定
 
1 災害応急対策業務,継続すべき通常業務
 大規模な災害発生時に遂行できる業務は,被災時間,被災規模により投入できる資源が限られることから,真に必要な業務を選定する必要がある。
 学生・教職員等の生命を保護するとともに二次災害の防止等にいち早く取り組む必要のある「災害応急対策業務」や,入学試験の実施,単位認定等その業務を実施しないと大学としての機能を維持できなくなる恐れのある「継続すべき通常業務」について,発災後の業務開始・再開目標期間・時間を設定し,それぞれ別表1「災害応急対策業務一覧表」別表2「継続すべき優先度の高い通常業務(課・室別)一覧表」として整理した。
 
2 対象業務の範囲

区  分

担 当

非常時優先業務

業務継続の優先度が高い通常業務(入試,単位認定,就職支援,教育・研究の再開等)

各課・室

応急業務

災害応急対策業務

(救出,避難誘導,安否確認,消火活動等)

災害対策本部

自衛防災隊各班

早期実施の優先度の高い災害復旧・復興業務(被害判定,被害記録整理等)

Ⅴ 非常時優先業務のための対応体制
 
1 災害対策本部の設置
 豊橋市及び近隣地域(以下「豊橋市等」という。)において震度5強以上の地震が発生した場合,危機・安全衛生管理本部(以下「危機管理本部」という。)の本部長は,直ちに本部員を招集し,自衛防災隊と連携のうえ,情報収集,関係者への連絡及び今後の対応等を確認するとともに,災害対策本部の設置について学長と協議する。
 なお,豊橋市等において震度6弱以上の揺れが観測された場合は,直ちに災害対策本部を設置する。
 災害対策本部が設置された場合は,自衛防災隊は指揮下に入る。
 
2 災害対策本部組織(図1参照)
(1)本部員:学長(本部長),理事(副本部長),副学長,系長,総合教育院長,研究所の長,共同利用教育研究施設の長及び危機管理本部の常勤の構成員
(2)自衛防災隊:隊長(統括管理者),副隊長,各班長・班員
 
3 災害対策本部長の代理者及び代理順位
  1位 理事(財務,施設マネジメント担当)
  2位 理事(教学,目標評価担当)
  3位 理事(コンプライアンス,社会・国際連携担当)
  4位 副学長(研究担当)
  5位 副学長(学生支援担当)
  6位 副学長(情報・広報推進担当)
 
4 災害対策本部の任務
(1)全般の指揮,関係機関等への連絡,外来者の応対その他応急対策業務を総括。
(2)被害状況等を踏まえ,教育,研究及び学校行事等の実施可否等当面の対応について協議。
(3)協議結果等は,速やかに教職員及び学生等に周知。
 
5 勤務時間外における体制
 勤務時間外において,豊橋市等で震度5強以上の地震を確認した危機管理本部員は,家族等の安全を確保した上で,可能な限り速やかに大学に参集する。
 災害対策本部が設置される場合,災害対策本部員及び自衛防災隊員は,家族等の安全を確保した上で,可能な限り速やかに大学に参集する。
 
図1
 
6 教職員参集体制
(1)勤務時間内における参集
  勤務時間内において,以下の規模の地震が発生した場合は,自分自身の安全確保,家族・家屋等の安全確認後,以下のとおり参集する。
  ① 震度6弱以上の地震発生時
    自動的に災害対策本部を設置することとなるため,災害対策本部員,自衛防災隊(本部隊)隊長,副隊長及び各班長は参集する。
  ② 震度5強以上の地震発生時
    危機管理本部が学長と災害対策本部設置について協議するため,危機管理本部員は参集する。また,被害状況等情報収集のため,危機管理本部長は必要に応じ自  衛防災隊班長以上に参集を要請する。       
(2)勤務時間外における参集
  勤務時間外において,上記規模の地震が発生した場合は,自分自身の安全確保,家族・家屋等の安全確認後,教職員参集フロー(下図)に基づき参集する。
  なお,地震発生が夜間の場合は,無理な移動は行わず,明るくなってからで構わない。また,悪天候等のため移動が困難な場合も,無理な移動は行わず,移動可能となってからで構わない。ただし,参集困難な場合は,所属部署又は災害対策本部に連絡する。
 
 
Ⅵ 事前対策・課題
 ソフト面,ハード面・ライフライン及び教育・研究ごとに一般的事前対策及び課題について示す。課題については,中長期的な対策を事前に検討するとともに,短期的な対策として当面できる代替手段等についても検討することとする。
 なお,課題に列挙した内容については,順不同とした。
 
1 ソフト面の一般的事前対策・課題
(1)災害対策本部
 豊橋市で震度6弱以上の地震が発生した場合,事務局棟の安全を確認した上で,3階大会議室に災害対策本部を設置する。
 災害対策本部の閉鎖は,復旧状況等を総合的に判断し,本部長が決定する。

●課題

1 災害対策本部設置予定場所の整備

  ・非常電源,通信設備の整備

  ・大会議室が使用不可の際の代替場所の確保

2 災害対策本部に必要な資料,物品の整備

  ・パソコン,ラジオ,通信機器,キャンパスマップ(大判),施設図面,ホワイトボード,筆記用具,緊急連絡網等 

3 発災時に大学HPのトップページで発信する項目・内容の事前準備

4 災害対策本部運営マニュアル整備

5 災害対策本部の設置,本部員参集訓練

(2)構内への警報(指示)の伝達
 災害対策本部からの指示は,電話・インターネットが復旧するまでは,放送設備,拡声器,無線機又はマンパワーにより伝達(伝令)する。

●課題

1 停電時の伝達手段の確保

  ・拡声器の整備(現在15台あり)

  ・無線機の整備(数量の確保。現在23台)

  ・建物内でも使用可能な通信機器の整備

2 屋外スピーカーの設置

  ・事務局東広場・南広場等一次避難場所等への伝達のため,事務局棟から福利施設までの建物の南側に向けたスピーカーを整備

(3)一次避難場所・避難経路(関連資料1参照)
 地震発生時,揺れが収まってからそれぞれの居る場所に近い一次避難場所に避難し,点呼や必要な指示・連絡を行う。

●課題

1 一次避難場所の位置は,学生・教職員に配布している「大震災行動マニュアル」に記載。周知徹底が必要。

2 事務室・講義室等に貼付している「地震発生時の対応ガイド」を更新し,避難経路及び避難場所を周知。

(4)安否確認
 原則として,安否確認システムによる安否の確認を行う。未回答者については,安否確認システムにより督促するとともに,「避難者確認カード」の回収,電話連絡等複数の手段により確認する。
 また,停電等によりメールやインターネットが使用できない場合は,紙媒体の名簿により避難者等を確認する。

●課題

1 安否確認メール等の確実な連絡のため,学生・教職員の個人アドレス等の登録の向上を図る。

2 回答率の向上を図る取組を行う。 

(5)負傷者の救出・救護,火災の消火等
 地震の揺れが収まった後に,火気使用器具や電気使用器具のスイッチを切り,ガスの元栓を閉じて出火防止措置を行う。また,使用中の化学薬品等は安全な保管庫等に収納し,高圧ガス漏洩の防止措置を行う。
 自衛防災隊は,公設の消防隊等が到着するまでの間,救出・救護,初期消火にあたる。地震による災害時は公設の消防隊は到着しない,あるいは相当遅れて到着することを念頭に置き行動する。
 なお,学内に設置してある消火設備では消火困難と判断される場合,また,救出時に余震等による二次災害の恐れがある場合は,直ちに活動を打ち切り避難する。
 負傷者の救出・救護は,自衛防災隊員に関わらずその場にいる学生・教職員も協力して行い,救護については,学校医,保健師等の協力のもと,病院等への搬送手段を確保する。

●課題

1 電話,インターネットが復旧するまでの負傷者把握方法の検討

2 負傷者の搬送手段の確保

(6)帰宅困難者等対策(関連資料6参照)
 帰宅困難者等は,帰宅困難者(学生1,000人,教職員300人),災害対策業務従事教職員及び大学近隣からの避難住民の合計1,500人を想定し,一人当たり1日2食×3日分の飲食料を備蓄する。
 また,停電・断水によるトイレの使用不能を想定し,一人当たり1日5回×3日分の携帯トイレ(既存の洋式便器又は簡易トイレにビニール袋をかぶせて用を足し,凝固剤等を入れ密封するもの)を備蓄する。
 帰宅困難者等の把握は災害対策本部が行い,物資の配給等は自衛防災隊(搬出・調達班)が,学生・教職員の協力のもと行う。

●課題

1 学内における休息・仮眠場所の確保

2 飲食料の支給,寒暖・夜間対応物品の確保

3 近隣住民の収容場所の検討

4 帰宅希望者への帰宅許可基準等の整備

(7)各種データ
 データを確実に守るため,あらかじめ被害を想定のもと,バックアップ体制を構築する。

●課題

1 重要なデータのバックアップ体制

2 データを保存しているサーバーとバックアップサーバーは,別々の建物に設置するか又はバックアップサーバーを学外に置くなど同時破損に備えた体制の整備 

3 学外機関とのバックアップ体制の検討

(8)情報システム
 主要なシステムはUPS(無停電電源装置)に接続し,発災時に停電した場合でも,安全にシステムを停止し,被害を最小限に留めるように対策する。
 停電後のシステム復旧は,システム担当者と保守業者で実施する体制とする。

●課題

1 平常時からバックアップを取得

2 システムが提供するサービスを早期に復旧・再開するための体制・対応等の整備

3 業務システムを取り扱う各課等が個別にバックアップ,サーバー管理する体制から,上記(7)同様,バックアップサーバーの学外設置を含む大学全体のルールを整備

(9)教育・訓練
 地震発生時に落ち着いて速やかな対応がとれるよう,毎年防災訓練・教育を行い,発災時の対応力を高めるとともに意識啓発する。

●課題

1 防災訓練・教育の充実

2 自衛防災隊班長等の役職を担う教職員に対する訓練の充実

3 安否確認訓練における回答率の向上

4 安否確認システムを利用した連絡事項等の伝達

 
2 ハード面・ライフラインの一般的事前対策・課題
(1)建物の耐震化
 現在,学内の建物は全て耐震化措置が完了しているため,地震の発生により倒壊する可能性は低いが,被害が生じた建物の使用に際しては,応急危険度判定士の資格を有する者(施設課職員)による危険度判定が必要となる。全ての建物の危険度判定には数日間を要すると想定されるが,以下の建物については,可能な限り早急に行う。(関連資料4参照)
 (ア)災害対策本部設置予定建物(事務局棟)
 (イ)帰宅困難者等収容建物(福利施設,講義棟)
 (ウ)避難住民収容建物(体育館等)
 (エ)応急救護所(健康支援センター等)

●課題

1 危険度判定を行う建物の優先順位の検討

2 応急危険度判定を行う教職員(有資格者)の増員,他機関からの応援体制の検討

(2)非構造部材の耐震化
 体育館,福利施設,講義棟等の天井等落下防止対策を行う。

●課題

1 体育館等天井等落下防止対策

2 体育館以外の大規模空間の天井や高所に設置された設備等の落下防止対策

3 天井材以外の外壁や家具類などの非構造部材の点検・対策を検討

(3)電力
 停電の場合,復旧するまで電力は使用できない。商用電力復旧後,高圧受変電設備等の安全確認を行った後,順次復電させる。なお,設備機器類については,必要に応じ個別に停電対策を取る。また,停電に伴う送水ポンプの停止による断水(飲み水やトイレ等の使用不可)及びエレベーターの閉じ込めを考慮した対応を行う。

●課題

1 災害対策本部設置場所(事務局棟3階)の電力確保(非常電源,発電機,蓄電池)

2 最終避難場所への電力確保(発電機,蓄電池)

3 帰宅困難者等収容建物への電力確保(非常電源,発電機,蓄電池)

4 二次災害回避のため,停電時のスイッチやブレーカー操作等について周知

5 送水ポンプから直接給水を行っている建物の即時断水や,受水槽保有棟の時間差断水の対応。豊橋市から水の供給がある場合における,受水槽からの直接給水の検討。

6 全棟のエレベーターにおける閉じ込め有無の確認及び救出体制の整備

(4)水道を利用した飲料水,雑用水
 上水については豊橋市からの供給が停止された場合でも,受水槽の貯水が使用できる状態になっている。ただし,停電が同時に発生した場合は,送水ポンプから直接供給を行っている受水槽を持たない建物では即時断水となる。また,学生宿舎北側に設置してある地下水浄化システムの処理水は,井戸や設備の破損がないことや電力が確保されていれば使用可能である。

●課題

1 上水の供給停止の際の飲料水の確保(地下水浄化システムが利用可能。ただし,井水を汲み上げるポンプを動かす電力必要)

2 受水槽の貯水を使い切り,また,地下水浄化システムが停止した場合の飲料水確保について検討

3 下水については建物内及び建物周辺での配管の破損が想定されるため,トイレ等の排水を禁止することについて周知

(5)ガス
大学構内への引き込み配管までのガス供給が開始されても,各建物への供給は構内及び各建物内ガス配管の確認・復旧後とする。
停電のみが発生した場合は,ガスの使用を可能とする。

●課題

1 使用者,建物管理者に対し,二次災害回避のため地震の揺れが収まってから,ガス機器の器具栓を閉め(消火),ガス栓(元栓,メーターガス栓)を閉めるよう周知必要。また,ガス漏れ(ガス臭)に気づいた場合は,すぐ窓や戸を開けて,屋外に避難することについても併せて周知。

  ※火や電気(換気扇,電灯類のスイッチ等)の使用は一切禁止

2 埋設部分のガス配管復旧のための障害物除去

(6)エレベーター
 停電発生後,エネルギーセンター及び施設課職員が,停止しているエレベーターを見て回り閉じ込めの有無を確認し,確認が完了したエレベーターには「確認済」の貼り紙を行う。
 閉じ込めがある場合は,至急保守管理会社に連絡し,救出作業を依頼する。救出までの間,閉じ込められた者へ声かけなどの励ましを行う。

●課題

1 エレベーター内に飲料水,簡易トイレ等非常用品を収納したキャビネットの設置を検討

2 地震発生時にエレベーターを使用しないことの周知

3 閉じ込められた者の情報や人数の把握

4 閉じ込められた者へのケア

(7)トイレ(関連資料4参照)
 断水・停電していない場合であっても,下水用配管の損傷の有無が確認されるまで,トイレの使用は禁止とする。その場合,自衛防災隊(本部隊)連絡班から構内放送,全学一斉メール等により伝達するとともに,各建物の管理者又はトイレのあるフロアの教職員がトイレ入り口に使用禁止の貼り紙を行う。
 トイレの使用を禁止した場合は,携帯トイレ(既設の便器にビニール袋をセットして用を足し,凝固剤を入れ密封するもの)や,簡易トイレ(段ボールやプラスチック製の組み立て式のトイレにビニール袋をセットして使用)を使用することを全学に周知する。

●課題

1 災害用トイレとしては,マンホールの蓋を開け直接排泄する場合や仮設トイレをレンタルして使用する場合もあるが,マンホールトイレの場合は,地下に貯留槽が埋設されておらず直接下水管に排泄するタイプは下水管が損傷している場合は使用できない。また,仮設トイレは便槽がいっぱいになった場合は,使用を禁止し,処理をくみ取り業者に依頼することとなるが,災害時は処理までに日数がかかることが予想される。

2 一般的に一日の排泄回数は5回とされており,携帯トイレや簡易トイレで使用済みの便袋は5回×学内滞在人数となり,毎日相当な数の便袋が蓄積されるため,集積場所の検討が必要。

3 集積場所では,臭い防止の他,鳥獣による散乱,ハエ,ゴキブリ等による病原菌等の拡散を防止する必要がある。

4 豊橋市のゴミ収集が再開された場合,回収及び回収後の消毒等を専門業者に依頼することについて検討。

(8)防犯セキュリティ
 災害,停電時は防犯体制を強化し,盗難被害を防止する措置をとる。

●課題

1 停電時における電気錠等の動作等について確認し,ドアが開放状態になる場合は,代替手段や貴重品の保管場所の移動,立入禁止の貼り紙を行う体制を整備

2 化学物質,危険物又は貴重な試料等を保管するキャビネットや室についても,停電時に支障が生じないよう予め手順等を決めておくことが必要

 
3 教育・研究等に関する事前対策・課題
(1)授業休止・再開
 地震発生に伴う場合ではないが,授業休止は,「暴風警報等の発令により授業等の実施に影響を受ける場合の取扱い」により,暴風警報又は気象等に関する特別警報の発令若しくは公共交通機関の運行停止等により授業等の実施に影響を受ける場合は,本取扱いによることとされており,学生は,学生便覧等の配付物及び大学公式ホームページ等により認識している。
 また,入学時には「大震災行動マニュアル」を配付し,地震発生時の対応について,事前に確認・準備するよう周知している。
 構内にいる時間帯に大地震が発生した場合は,身を守る行動の後,揺れが収まった後,火気・実験機器・薬品等の安全確保,けが人等の確認・救出の後,教職員の指示により屋外の一次避難場所へ退避し,その後陸上競技場へ避難。自衛防災隊等による安否確認,災害情報の連絡,必要事項の指示後,帰宅可能者は帰宅させる。
 授業再開等は,前掲の取扱いによるとともに,大学Webシステムで周知する。場合により,安否確認システムを通じて通知する。
 また,教務システム及び証明書発行の復旧を速やかに行うとともに,復旧までは手作業による証明書発行が可能か検討する。

●課題

1 授業再開の方針等を速やかに発信する。

2 授業再開について,対面に関わらず,オンライン又はオンデマンドによる授業も検討する。

(2)入学・卒業対策
 発災時における入学・卒業の措置について定めた規程等はないが,必要に応じ,入学試験は被災地以外の会場でも実施する。
 なお,入試の試験時間中に停電が発生した場合は次のとおり対応する。
 ・受験者の解答に影響があったと判断する場合は,影響のあったおおよその時間分について試験時間を延長する。
 ・影響が長時間に渡る場合は,共通テストであれば大学入試センターと協議,学内の入試であれば入学試験委員長等と協議し,対応を決定する。
 また,入試の前日等に停電が発生し入試当日の実施が困難であると判断される場合は,共通テストであれば大学入試センターと協議,学内の入試であれば入学試験委員長等と協議し,試験日の変更等の対応を決定する。
 また,卒業判定作業を速やかに行うとともに,学位記の発行は後日郵送するなど柔軟な運用を行う。

●課題

1 入学試験会場の確保

2 卒業式・修了式,入学式の会場の確保。新型コロナウイルス感染症拡大時の経験を踏まえ,学内での実施も検討

(3)高専連携事業・社会連携事業
 高専連携事業,社会連携事業等の実施により,高等専門学校生,高校生又は一般市民を1日から数日間受け入れ教育等を実施しているが,構内にいる時間帯に地震が発生した場合,身の安全を守る初動については,学生同様に対応するよう各事業担当者から周知する。
 なお,学内又は市内のホテル等に宿泊しながら参加している実習生については,場合により宿泊場所や自宅に帰宅できないなどの問題の発生も予想される。この場合,事業担当者は,学生・教職員同様,帰宅困難者等と同様の対応をする。

●課題

1 帰宅困難者等の宿泊場所・飲食料等の確保

2 翌日以降のプログラム実施の検討

3 派遣元の高専・高校等への連絡,引き渡し

(4)化学物質・高圧ガス等の保管・取扱い
 大学における化学物質の管理の責任者として学長の下に,化学物質統括管理者を置き,化学物質を使用する研究室には化学物質管理者,化学物質使用責任者を選任し,同様に毒物・劇物を使用する系等には毒物・劇物管理責任者を,使用する研究室には毒物・劇物使用責任者を配置している。また,一般高圧ガスの管理についても,保安責任者及び管理者を置き,適正な保管及び取扱いを徹底し,災害時を含め事故防止に努めている。
 また,安全衛生委員会では,これらの安全な取扱い等に必要な施策を講じ,また,毎月実施している職場巡視を通じて災害時等における危険箇所の確認及び是正指導を行っている。
 学内には化学物質,危険物及び高圧ガスを使用する研究室等が多数存在しているが,上記の管理体制の下,品名・数量及び使用者は,毎年実施している「毒物・劇物,危険物,がん原性物質及びこれらに該当しない爆発物の原料となり得る化学物質の取扱状況調査」により把握し,また,日々の数量の増減については,各研究室において厳重に管理している。
 地震等により,化学物質・高圧ガスの漏洩等の事故が発生した場合には,個々の化学物質等の特性を十分理解した上記の管理者・使用責任者が対応し,必要に応じ公設の消防隊を要請する。

●課題

1 化学物質等を使用する実験中に地震が発生を想定した場合の対応マニュアルの作成・周知及び訓練

(5)放射性同位元素・放射線発生装置の保管・取扱い
 本学では放射性同位元素及び放射線発生装置(X線回折装置,電子顕微鏡)を使用して研究を行う研究室等が多数存在するため,法令等に基づき,放射線取扱主任者及びエックス線作業主任者を配置し,また,学生を含め放射性同位元素及び放射線発生装置を使用する者は,放射線業務従事者として登録のうえ,教育訓練の受講を義務づけており,事故防止に努めている。また,安全衛生委員会においても安全管理及び事故防止に関して必要な施策を講じている。
 地震に伴い装置等が破損したことにより,放射線の漏洩等の恐れがある事故が発生した場合には,放射線の特性を十分理解した主任者・業務従事者が対応し,必要に応じ関係機関に連絡する。

●課題

1 放射性同位元素・放射線発生装置の使用中に地震が発生を想定した場合の対応マニュアルの作成・周知及び訓練

(6)遺伝子組換え生物・実験動物の飼養・取扱い
 遺伝子組換え生物等を使用する実験等の安全管理のため,遺伝子組換え生物等安全主任者を置き,また,遺伝子組換え生物等実験を行う者のうちから遺伝子組換え生物等実験責任者を置き,実験計画の適正な管理・監督にあたっている。
 また,遺伝子組換え生物等専門委員会を置き,遺伝子組換え生物等実験及び細胞融合実験計画及び実験施設の合法性に関すること,実験計画の安全性に関すること及び実験従事者の教育訓練及び健康管理に関する施策等を審議している。
 なお,事故又は災害発生により生物災害が発生又は発生の恐れがある場合は,直ちに拡散防止等必要な応急措置を講ずるとともに,学長及び遺伝子組換え生物等安全主任者に通報する。
 動物実験について,科学的観点,動物愛護の観点及び環境保全の観点並びに動物実験等を行う教職員・学生等の安全確保の観点から動物実験等の実施方法等について規程に定め,動物実験責任者,同実施者,実験動物管理者及び飼養者等を置いている。また,動物実験専門委員会を置き,実験計画の法令適合性,飼養保管等に関して審議している。
 管理者は地震,火災等に執るべき措置の計画をあらかじめ作成し,関係者に対して周知するとともに,災害発生時は,実験動物の保護,実験動物の逸走による危害防止に努めるとともに,関係者に通報する。

●課題

1 地震発生時における遺伝子組換え生物等の拡散防止,実験動物の逸走防止措置及び関係者への連絡等の訓練

 
Ⅶ 教育・訓練,点検・改善
 事業継続計画(BCP)は一旦策定すればよいというものではない。計画の実効性を確認し,高めていくためには,教育や訓練を繰り返し実施していくことが重要である。
 
1 引継ぎの重要性
 発災時に的確に事業継続を図るためには,地震対策BCPの内容等を教職員等に周知,浸透させ,さらに各部局が発災時に自律的に行動できるよう防災に対する当事者意識の喚起と対応能力の向上を図ることが重要である。非常時優先業務は間断なく対応能力を維持することが求められるため,人事異動に際しても通常業務とは区分し,非常時優先業務に関して事前の引継ぎを徹底する。
 
2 教育・訓練等
 地震対策BCPの実効性を確保し高めていくためには,教育や訓練を繰り返し実施して行くことが重要である。このため,下記の訓練の実施計画等を策定し,教職員に対する教育・訓練を実施する。
(1)教育
 管理的立場の教職員に対し,防火・防災に関する知識及び消火設備等の使用に関する技能等の習得のため,消防機関等が実施する講習・セミナーを受講。
(2)訓練

訓練の種類

実施時期

主な訓練内容

総合訓練

11月

大規模地震の発生を想定し,避難訓練,避難誘導,安否確認,通報,指示・伝達,初期消火,負傷者救助等

個別訓練

上記以外の時期

シェイクアウト訓練,避難訓練,安否確認訓練,心肺蘇生法・AED講習等

 
3 点検・改善
 発災時に実際に機能する地震対策BCPとするために,人事異動や連絡先の変更があった場合には遅滞なく更新することはもちろん,定期的に計画の実効性等を点検・改善し,レベルアップを図っていく。
 例えば,訓練等を通じて計画の実効性を点検し,把握された問題点や教訓等に基づいて改善する。また,想定する災害より規模の小さい災害を経験した際にその教訓を踏まえて点検することや,他の地域で被災した大学等の知見等を踏まえた点検を行う。
 訓練等は単に対応力向上の機会とするだけでなく,点検・改善の機会としても有効に活用することが重要である。訓練等により得られた知見や教訓は,それらを体制・計画に反映するとともに,学内で有効活用できるよう情報の共有を行う。
 
 
<関連資料>
 
地震対策BCPの見直しに当たり参考にした資料
・大規模災害発生時における地方公共団体の業務継続の手引き(内閣府(防災担当),令和5年5月)
・中央省庁業務継続ガイドライン 第3版(首都直下地震対策)(内閣府(防災担当),令和4年4月)
・豊橋市役所災害対応業務継続計画(豊橋市,令和7年7月改訂)
・文部科学省首都直下地震対応業務継続計画(文部科学省,令和7年9月1日改定)
・大地震による被災を想定した事業継続計画(BCP)(国立大学法人神戸大学,平成28年1月)
・大地震による被災を想定した事業継続計画(BCP)(国立大学法人鹿屋体育大学,令和7年2月)
・金沢大学業務復旧・継続計画(BCP)大規模地震編(国立大学法人金沢大学,令和6年4月1日改訂)
・香川大学事業継続計画(BCP)(国立大学法人香川大学,令和4年12月改訂)
・愛知教育大学事業継続計画(BCP)(国立大学法人愛知教育大学,令和4年3月28日)
・静岡大学事業継続計画(BCP)(国立大学法人静岡大学,令和6年3月)
・東京外国語大学事業継続計画(BCP)~第一版~(国立大学法人東京外国語大学,2023年9月策定)
・国立大学法人東北大学本部事務機構 防災・業務継続計画(略称:本部BCP)第十版(国立大学法人東北大学,令和5年5月)
備考
引用規程