平成18〜20年度豊橋技術科学大学教育研究活性化経費評価書 | ||||||||
外部評価者氏名: | ||||||||
研究題目 | 免疫系数理モデルとシミュレーションによる病状モニターと投薬戦略−Immunoinformatics | |||||||
研 究 者 | 知識情報工学系 教授 石田 好輝 |
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項 目 | 採点 | 評 価(コメント) | ||||||
研究の独創性 | 5 | Immunoinfomaticsの研究は国内外で非常に少なく、新たな分野の開拓を目指す当研究は非常に独創的である。また、課題1においてT細胞とHIVそれぞれに2次元格子空間を用いた手法、課題2でネットワーク的概念と薬剤耐性化問題を結びつけた点は独特といえる。 | ||||||
実用化への可能性 | 2 | 成果報告書でも述べらているように、現状のシミュレータでは、免疫現象のいくつかを定性的に再現できたにすぎず、HIV感染患者の症状進行予測や有効な治療戦略立案を実現することには限界がある。現時点では実用化への可能性はあまり見えない。 | ||||||
学問的発展への貢献度 | 4 | 確率遷移モデルにより無症候期間や準種が現れたことは、エイズの数理的研究分野で貢献したといえる。しかし、モデルを決定論的から確率的にしただけであり、新たな知見を取り入れていない点では貢献がやや不十分である。 | ||||||
当初研究計画 の達成度 |
3 | 当初は個人レベル病状モニターシステムの設計・開発・検証が計画されていたが、開発されたシミュレータはいくつかの現象を再現することに成功したにすぎない。実データによる妥当性の検証などはまだ達成されていない。 | ||||||
総 合 | Immunoinfomaticsという分野は、数冊の洋書が出版されているにすぎず、国内では理研の免疫センターが主に医薬からのアプローチを行っているだけであり、数理情報からのアプローチは数少ない。このような非常に独創的な研究分野では、当初の計画通りに進まないこと、実用化への可能性が現時点では低いことは仕方ないといえる。しかし、免疫学の発展により多くの実験データや現象が明らかになると、その現象に潜む原理を明らかにする当研究は今後も非常に重要である。また、今後は他の研究組織、特に医薬系の実験研究者との連携が必須といえる。 | |||||||
※ 1 上記の4項目について,5点満点(0〜5点)で採点を行い,それぞれの評価及び総合評価について | ||||||||
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