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対談「地域連携と豊橋技術科学大学」

山下 政良 田原市長 × 大西 隆 豊橋技術科学大学長

山下 政良 田原市長 × 大西 隆 豊橋技術科学大学長

「国立大学と地域との連携」をテーマに田原市の抱える課題と国立大学、豊橋技術科学大学の役割について、山下政良田原市長と対談を行った。

大西隆学長(以下、大西学長) お忙しい中、ありがとうございます。本日は、「国立大学と地域との連携」をテーマに、山下政良田原市長に田原市の課題と今後の展開について説明いただくとともに、豊橋技術科学大学(以下、豊橋技科大)をはじめとする大学への期待についてお伺いできればと思います。

田原市の抱える課題と将来像

大西学長 田原市は、昭和43年の豊川用水全面通水以来、農業面では農業産出額が全国市町村第1位の724億円(平成18年)、そして、工業面ではトヨタ自動車株式会社の主力工場を有し、第1次産業と第2次産業で卓越しています。現在抱えている課題と将来像についてお聞かせください。

山下政良田原市長(以下、山下市長) 田原市は、豊川用水通水により、農業は飛躍的に発展し、全国1位となりました。また、昭和39年に東三河地域が工業整備特別地域に指定されたことを契機に造成が進められた三河港によって、製造品出荷額等は、都道府県第1位の愛知県の中で第3位の2兆29億円(平成17年)となりました。
農業、工業ともに盛んであり、伊良湖岬という観光地もありますので、「豊かなまち」という印象を持たれると思います。
今までの田原市は、確かに豊かでした。しかし、現在は、昔のように誰もがうらやむような豊かさがあるとは言いがたいというのが正直なところです。
豊かさを維持するためには、やはり財政力の確保が必要となりますが、今、田原市の財政は厳しい状況にあります。まず、平成26年度の税制改正により、法人市民税の法人税率が引き下げられました。それにより、市の税収が落ち込むこととなりました。
それに加えて、平成15年の田原町・赤羽根町の合併と平成17年の田原市・渥美町の合併の特例により交付されていた地方交付税、約30数億円が、平成33年には交付されなくなります。

山下政良田原市長

大西学長 田原市は、不交付団体であるということですね。

山下市長 財政力指数が1前後を推移していますので、今年度は不交付団体、来年度は交付団体となる、という状態です。
そのような状況の中で、どうしたらこの田原市が元気になるかを考えなければなりません。

大西学長 山下市長は、「渥美半島を元気に!」をスローガンに掲げていらっしゃいますね。

山下市長 はい。渥美半島を元気にしようと、市長選挙に立候補し、それを基本姿勢に市政運営を行っています。
田原市は観光や自然などのポテンシャルが多くあるまちですが、その魅力の発信や活用が十分にできていないと私は考えています。今、その魅力を何とか活用するため、サーフィンにスポットを当て、アピールしています。太平洋側に太平洋ロングビーチという全国的にも有名なサーフィンスポットがありますので、2020年東京五輪の追加種目候補*であるサーフィン競技の大会会場誘致を目指して活動しているところです。
会場誘致のほかにも、「サーフタウン」と銘打って、サーフィンができる素晴らしいまちであることを世間にアピールしています。

*本対談は平成28年6月14日に実施。平成28年8月4日にサーフィンが2020年東京五輪追加種目に正式決定。

山下市長 その他、農業も工業も盛んでありますので、これらのさらなる発展のため、インフラ整備も重要な課題です。
田原市には、国道42号と259号が通っていますが、信号機が多く、利便性が良いとは言えません。これでは、農産物の出荷にも時間がかかりますし、観光のために伊良湖にお越しいただくにもアクセスが悪いという印象を与えてしまいます。
先ほど、お話ししましたサーフィン競技の大会誘致が成功すれば、インフラ整備にもつながりますので、誘致活動には特に力を入れています。

田原市と豊橋技術科学大学の連携

大西学長 田原市には県立高校が3校あり、そのうち1校は農業高校(愛知県立渥美農業高等学校)ですね。山下市長は、農業高校の将来について、ご意見をお持ちだと伺っています。

山下市長 私は、農業を学ぶための高等教育機関が必要であると考え、農業大学院大学の設置を試みたことがありましたが、やはり設置は、一筋縄ではいかないようです。
農業高校に進学し、農業への関心や意欲の高い学生には、さらに上の技術を身につけてほしいと思っていますし、そのような学生が増えれば、田原市の農業はさらに発展することでしょう。

大西隆学長

大西学長 本学では、高度技術者育成を進める社会人向け実践教育プログラムを開始しました。そのプログラムの中で、最先端施設園芸である植物工場の管理、経営ができるIT農業人材の養成や地域農業の担い手が定着可能な土地利用型農業の管理、経営ができるIT農業人材の養成などを実施することとなっています。
是非とも意欲ある農業高校卒業生や農家の皆様に、ご参加いただき、田原市の皆様とも協力しながら、プログラムを運営していきたいと思っています。

山下市長 是非、参画させていただきたいと思います。これまでも豊橋技科大の先生方には、「たはらエコ・ガーデンシティ構想」や「田原市まち・ひと・しごと創生総合戦略」などにおいて、ご協力いただいておりますので、豊橋技科大は私どもにとってなくてはならない存在といえます。

大西学長 本学教員の中には、田原市から提示していただいた研究プロジェクトに携わり、田原市から研究費をいただいている者もおりますので、本学として、大変ありがたく思っています。

山下市長 先ほどは、先生方にご協力いただいている話をいたしましたが、卒業生にも大変お世話になっています。私が田原市の職員であった当時、「炭生館」というごみ処理施設の設置を担当しておりました。この「炭生館」は、PFI手法を採用したごみ処理事業で、愛知県内の企業5社が出資・設立したグリーンサイトジャパン株式会社が運営を行っています。5社のうちの1つであるメタウォーター株式会社に豊橋技科大の卒業生が所属していまして、「炭生館」建設のために、その技術力を発揮してくれました。
「炭生館」は平成17年度「バイオマス利活用優良表彰」農林水産大臣賞や「2006愛知環境賞」金賞を受賞しており、彼の協力に大変感謝しています。

大西学長 教員、学生ともにお世話になっているのですね。これからも田原市の発展のため、ご協力できることがあれば、積極的にお手伝いさせていただきたいと思っております。また、本学のプログラムや研究の中で、田原市の皆様のご興味に沿うものがあれば、是非ともご参加いただければと思います。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

山下 政良 田原市長

昭和42年3月  愛知県立成章高等学校 卒業
昭和42年4月  旧田原町(現田原市) 入庁  ※環境部長、教育部長などを歴任
平成21年3月  田原市 退職
平成25年10月 特定非営利活動法人たはら国際交流協会理事長 就任
平成26年5月  特定非営利活動法人たはら国際交流協会理事長 退任
平成27年4月  田原市長 就任


[初版作成]2016.8.10 / [最終改訂]2016.8.10
総務課

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