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対談「グローバル企業と豊橋技術科学大学」

大沢 輝秀 オーエスジー株式会社代表取締役会長 × 大西 隆 豊橋技術科学大学長

大沢 輝秀 オーエスジー株式会社代表取締役会長 × 大西 隆 豊橋技術科学大学長

「企業のグローバル展開と国立大学」をテーマにグローバル企業が大学に求める人物像やグローバル教育の必要性について、大沢輝秀オーエスジー株式会社代表取締役会長と対談を行った。

大西隆学長(以下、大西学長) お忙しい中、ありがとうございます。本日は、「企業のグローバル展開と国立大学」をテーマに大沢輝秀オーエスジー株式会社代表取締役会長にグローバル企業であるオーエスジー株式会社(以下、オーエスジー)についてご紹介いただくとともに、豊橋技術科学大学(以下、豊橋技科大)をはじめとする大学への期待についてお伺いできればと思います。

オーエスジー株式会社におけるグローバル展開と現在

大西学長 オーエスジーは、世界各国に支社を持ち、グローバル化した企業です。「地球会社」を理念とするオーエスジーのグローバル展開について、お聞かせください。

<グローバル化の歩み>

大沢輝秀会長(以下、大沢会長) オーエスジーは昭和11年に私の父である大沢秀雄が「大沢螺子研削所」という工場を立ち上げたことから始まりました。私は、昭和36年に株式会社大沢螺子研削所へ入社し、町工場から世界で活躍する企業へと、オーエスジーを変革してきました。
グローバル展開の第一歩は、父が私へ言った「うちへ入ったら、イギリスへ留学するチャンスがある。どうだ、行ってみるか。」という一言であったと感じています。
当時の日本は、工業製品を輸出して外貨を稼ぐ、輸出振興が大方針としてありましたし、父も世界で通用する製品を作り、海外へ輸出したいと考えていました。そのような状況でしたので、海外の事情を理解し、海外の企業と商談できる人財(人材)が必要となり、創業者の長男である私に、その役目が与えられました。
イギリスで、私は技術者を養成する学校を持つ企業にお世話になり、自動車産業の盛んな都市で他国の留学生とともに、技術を磨くと同時に、将来の海外事業に向けた現地視察や情報収集を行っていました。

大沢輝秀会長

<マーケットの開拓>

大沢会長 イギリスから帰国し、海外マーケットの開拓が始まりました。私は、商社に頼らず、自社で開拓することを大前提に仕事を始めました。
当時の商社は、規模の大きくないオーエスジーの作る工具に対し、在庫を置かない方針をとっていました。つまり、お客様からの注文があればその都度、日本へ発注するという流れでした。そのため、高性能な工作機械があっても、切削工具がなければ動かすことができないという状況になりかねませんでした。
しかし、こちらの都合でお客様を待たせるような商売をするべきではないと判断し、アメリカに進出する際、現地法人を立ち上げ、自社で在庫を管理し、自ら口説いてお客様を増やしていくという方法をとることとしました。

<IDEA OSG1(イデア オーエスジー ワン)>

大西学長 現在はどのような事業を展開されていますか。

大沢会長 シンガポールに本社を置く宇宙ベンチャー企業「アストロスケール社」が手掛けるプロジェクトに、メインスポンサーとして参画しています。
平成27年に航空機市場開拓のため、パリ航空ショーを視察していた私の息子たち(大沢二朗オーエスジー(株)常務取締役、大沢秀朗オーエスジー(株)常務取締役)がアストロスケール社の岡田光信CEOのお考えに感銘を受けたことから、始まりました。
このプロジェクトは、宇宙ゴミを意味する「スペースデブリ」の調査のため、超小型衛星を打ち上げ、デブリを計測するというものです。オーエスジーは、スポンサーとして参画するとともに、実際に打ち上げられる人工衛星の部品の一部を製作しています。

オーエスジーの人財(人材)育成と求める人物像

大西学長 オーエスジーの人財(人材)育成、そして、採用にあたって求める人物像についてお聞かせください。

<多様性を身につける>

大沢会長 平成3年に、父の夢でもあった「公益財団法人 大澤科学技術振興財団」を設立したことにより、設立以前にはなかったアカデミズムの人々との交流が深まりました。このような関係の中で、理系の人間は語学に弱いということに気がつきました。
大学生に対するアドバイスにならず、申し訳ないのですが、私は語学の勉強を社会人や大学生になってからするのでは、遅すぎると思っています。就職後に語学の勉強を始めた社員でも、しっかりと勉強し、英語を習得していますが、自由に英語を扱うためには、中高生の頃に現地で生活することが必要であると考えています。
中高生の時期の留学には、語学だけではなく、多様性を身につけるという意味もあります。異なる人種や文化に触れ、その中で生きる経験は、グローバル化した社会において求められる多様性を獲得するよい機会となるでしょう。
現地での経験という意味では、豊橋技科大がマレーシアに設置したペナン校も今後発展させていくことができれば、学生に多様性を身につけさせる場として、とても有効だろうと思います。

大西隆学長

大西学長 本学には、海外からの留学生もいますが、そのような学生が日本で就職することについてはどのようにお考えですか。 

大沢会長 オーエスジー本社は、日本人社員に偏っていますが、私は、それではいけないと考えています。日本人学生に負けない人財(人材)がアジアには多くいること、そして、今後の市場の発展を考えるとアジア圏の学生を採用することが会社にとっては必要です。
ニーズのあるマーケットにおいて、お客様の求めるものを正しく理解し、それに合った対応をするためには、それぞれの文化や価値観を理解しなくてはなりませんので、外国人学生の入社は重要であり、日本人、外国人双方によい影響をもたらすと考えています。

大西学長 本学においても平成29年3月完成予定のシェアハウス型グローバル宿舎を活用し、多様性を身につけ、世界に通用する人財(人材)育成に取り組んでいきたいと思います。

<プレゼンテーションする能力>

大沢会長 英語を習得することも重要ですが、それ以上に、母国語である日本語でプレゼンテーションする能力も必要でしょう。息子(大沢二朗常務取締役)も言っていたことですが、プレゼンテーションができる人間は、自分の伝えたいこと、知ってもらいたいことを的確に発信できる能力を持っているということです。会社に自分を売り込む、自社製品を顧客に売り込むことのできる技術を学生時代に身につけて欲しいと考えています。

大西学長 確かに、主体的に発信する能力は、必要ですね。大学では、研究室や、専門分野単位での活動になりがちですが、より広い世界と接することで、自らの位置を知り、競い合っていくことを通じて、コミュニケーションする能力を高めていくことが必要だと思います。

大西学長 日頃よりご支援いただいているオーエスジーの「地球会社」としての歩みとこれからの人財(人材)育成について、貴重なお話しをお伺いできましたこと、大変うれしく思っております。これからも、本学へのご助言をよろしくお願いいたします。

大沢輝秀 オーエスジー株式会社 代表取締役会長兼CEO(最高経営責任者)

昭和13年2月3日生まれ

職歴
昭和36年 3月 早稲田大学 商学部卒業
昭和36年12月 オーエスジー株式会社 入社
昭和43年 2月 OSG Tap and Die、Inc. 取締役社長
昭和52年 2月 オーエスジー販売株式会社 代表取締役社長
平成 4年12月 オーエスジー株式会社 代表取締役社長
平成 6年 2月 OSG Tap and Die、Inc. 取締役会長
平成14年 3月 大宝精密工具股份有限公司董事長(現任)
平成19年 2月 オーエスジー株式会社 代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)(現任)

公職
昭和63年10月 豊川商工会議所 副会頭
平成11年 3月 財団法人 三豊科学技術振興会 理事(現任)
平成11年12月 豊川市体育協会 会長
平成13年 3月 早稲田大学 商議員(現任)
平成14年 7月 財団法人 大澤科学技術振興財団 理事長(現任)
平成16年 5月 愛知県立時習館高等学校同窓会 会長
平成19年 6月 東海カントリークラブ 理事長(現任)
平成19年11月 豊川商工会議所 会頭
平成21年 7月 国際ロータリー第2760地区 2009-2010年度ガバナー


[初版作成]2016.6.27 / [最終改訂]2016.6.27
総務課

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