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対談 「地方創生と豊橋技術科学大学」

佐原 光一 豊橋市長 × 大西 隆 豊橋技術科学大学長

大西 隆 学長 佐原 光一 豊橋市長

「地方創生と国立大学」と「国立大学と地方との連携」をテーマに国立大学、豊橋技術科学大学の役割、豊橋市と本学との産学官連携、また、本学への期待について、佐原光一豊橋市長と対談を行った。

大西隆学長(以下、大西学長) お忙しい中、ありがとうございます。本日は、「地方創生と国立大学」、「国立大学と地方との連携」をテーマに佐原光一豊橋市長に豊橋市と豊橋技術科学大学(以下、豊橋技科大)の今後についてお伺いできればと思います。

地方創生の取組と国立大学の役割

大西学長 現在、地方創生について、報道等を含めその必要性が指摘されておりますが、この点に関して、国立大学、また、豊橋技科大の役割についてお伺いしたいと思います。
まず、地域にとって大学の存在とは、どういったものでしょうか。

佐原光一市長(以下、佐原市長) 地域にとっての大学とは、ステータスだと考えています。大学があるということを住民は誇りに思い、大学生がいることにより、まちに若さと活気が産まれ、書店や図書館の充実が実現しています。地域の民意や文化度を刺激している大学は財産と言えるでしょう。また、豊橋技科大の場合は全国の地域から学生を集め、彼らが地元(愛知県)企業に就職する割合が大きいため、地域への人材供給に大きく貢献いただいています。

大西隆学長

大西学長 有名国立大学は、地域の学生を集め、関東等の他の地域へ人材を供給しています。一方で、本学には全国の高等専門学校(以下、高専)から学生が集まり、工業集積地である愛知県に就職しています。

佐原市長 工業立県・愛知県における豊橋技科大は、他の地域にある理工学系の大学とは異なる重さがあると感じています。

大西学長 高専生は中学時代に工学や技術に興味を持ち、高専において技術学修を深めた上で、本学に入学してきます。そのプロセスを考えますと、専門性が高く、高度な技術者として企業においても重宝されていると聞いています。

佐原市長 彼らは工作機械を操れると同時に、手先が器用という利点がありますね。

大西学長 豊橋市にはニッチな分野だが、技術力の高い企業が多くあります。そのような企業にも本学学生を受け入れていただいています。豊橋市での就職状況を考えましても、ここ豊橋市と豊橋技科大の相性はいいように捉えています。

佐原市長 学生のみなさんに豊橋市を就職先に選んでいただいている状況がある中で、学生と豊橋の企業を繋ぐ役割を担っていく必要があると考えています。株式会社サイエンス・クリエイト※(本社所在地:愛知県豊橋市、以下、(株)サイエンス・クリエイト)は、豊橋地域での新産業創出を目指し、産学官共同研究や地域産業支援を行っています。そのような事業の一環として、地元企業と就職希望者とのマッチングも行っておりましたが、国立大学を取り巻く情勢の変化や(株)サイエンス・クリエイトの経営悪化もあり、充分に機能を果たせていませんでした。今後、地元のニーズだけでなく、大学のニーズも考慮し協力していきたいと考えています。

※株式会社サイエンス・クリエイト
豊橋地域での新産業創出を目指して策定された「サイエンス・クリエイト21計画」に基づき設立された第3セクター会社

豊橋における産学官連携の今

大西学長 (株)サイエンス・クリエイトが担う産学連携という役割に関連して、日本における産学連携の状況は数十年前からあまり進歩していない感もあります。今後、(株)サイエンス・クリエイトのような企業にご協力いただきながら、大学と企業がさらに強く連携するように進めていけるとよいのではないかと考えています。

佐原市長 大学と企業の連携については、連携の場が課題であると思っています。

大西学長 企業の中には、第三者機関に研究室を置き、企業と大学がその機関に集い研究を行うことを希望するところもあります。
本学では、今年7月に国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST、以下、産総研)と「AIST-TUT先端センサ共同研究ラボラトリー」を設置しましたが、国立の研究所が間に入ることにより大学との研究がしやすくなるという企業の声があったこともこのラボラトリーの設置の理由の一つです。

佐原光一豊橋市長<

佐原市長 産総研のローカル版としての役割を(株)サイエンス・クリエイトが担う必要があるでしょう。(株)サイエンス・クリエイトを新しいプロジェクトに挑戦したい地元企業とトップを目指す人材とを繋ぐ存在にしていきたいと考えています。

大西学長 本学には研究推進アドミニストレーションセンター(RAC)がありますので、(株)サイエンス・クリエイトと行政がプロジェクトを立ち上げ、本学と協働して研究を行うこととなりましたら、充分なサポートを提供できると思います。

佐原市長 現在、企業や大学などの研究関係者が交流する場を作ろうと考えていますが、なかなか軌道に乗らないのが現状です。(株)サイエンス・クリエイト側からのアプローチ方法を再考していく時期に来ているかもしれません。
まちの中には、様々なアイデアがあふれていると私は考えていますので、そのようなアイデアを吸収し、シーズとニーズを繋ぐ仕事を(株)サイエンス・クリエイトで行っていきたいです。

大西学長 企業と大学がお互いにどのような研究を行っているのかプレゼンテーションする必要があるでしょう。大学にもアイデアはありますが、その活用については頭を悩ます研究者が多くいます。ぜひ、(株)サイエンス・クリエイトにて、「大学では、今、こんなことをやっている」とプレゼンテーションをする機会を作っていただき、企業と大学とのマッチングにご助力いただければと思います。

豊橋技術科学大学への期待

大西学長 これからの大学に対してどのようなことを期待されていますか。

佐原市長 現在、豊橋市は2015年6月26日付けでJICA(独立行政法人国際協力機構)から草の根協力事業「地域活性特別枠」の採択を受け、今年度から3年間を通じて、インドネシア共和国西スマトラ州ソロク市において浄水技術改善事業を行い「飲める水道水」の安定供給を目指し浄水技術の支援を行っております。この事業を行っていく中で、インドネシアの農業技術の遅れを感じました。こういった地域へ浄水技術や農業技術を伝えることも私たちの使命ではないかと考えているところです。私は、ここ豊橋から世界の食の問題を変えていきたいと考えています。夢物語と思われるかもしれませんが、ぜひとも実現したいと考えています。そのために、豊橋技科大には、先端農業技術についての研究と教育を行っていただきたい。  

大西学長 農業という分野やそれを担う人材を育てることは大きな課題であると私も考えています。豊橋技科大には農学部はありませんが、地域に新しいタイプの農業者を育てるために先端農業・バイオリサーチセンターを作って、新技術研究や研修プログラムを実施しています。

佐原市長 先端農業を学び農家を志す若い人材の受け入れ先として、この地域に、例えば農業高等専門学校であったり、さらに学びたい学生向けには、大学に農業におけるマーケティングであったり、マネジメントであったりを学べる学部をつくりたいという夢をもっています。豊橋技科大には、先端農業を学べるコースを設立していただき、意欲あふれる学生を受け入れていただければと考えています。
豊橋で先端農業に取り組む若い人材を育成することで、世界中の食糧危機の解決であったり、健康や衛生などの諸問題の解決であったりが夢ではなくなると思っています。

大西学長 本学としても、その夢の実現のためご一緒に活動できればと思います。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

佐原 光一 豊橋市長

昭和51年 東京大学工学部航空学科卒業
昭和51年 運輸省港湾局(現国土交通省)入省
昭和61年 外務省に出向(在ブラジル日本大使館一等書記官)
平成11年 パナマ共和国政府派遣(国際協力事業団長期専門家)
平成20年 国土交通省 退職
平成20年11月 豊橋市長(1期目)
平成24年11月 豊橋市長(2期目)
「ともに生き、ともにつくる」をまちづくりの基本理念に据え、「輝き支えあう水と緑のまち・豊橋」の実現を目指す。

[初版作成]2015.10.22 / [最終改訂]2015.10.22
総務課

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