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エフエム豊橋『天伯之城ギカダイ』第281回放送「RNAは偉い」環境・生命工学系教授 菊池 洋

環境・生命工学系教授 菊池 洋への取材は11月1日に行いました。

「生きているとはどういうことか」をとことん突きつめていくと、RNA(アールエヌエー)が生まれたり消えたりしている状態ということが言える。えっ?何それ?という方も多いでしょう。もちろん、分子生物学的立場からの話であります。

そもそもRNAって何?RNAはDNAにそっくりな紐状物質で、DNAよりははるかに短く、切れやすく、か弱い物質である。DNAの一部からコピーされる。生物(ヒトも含めて)とはちょっと乱暴に言えば、タンパク質の塊である。DNA上に存在する遺伝情報とは、そのタンパク質の構造を決める情報であるが、その情報に従ってタンパク質が合成される時、合成される現場で直接の情報テープとしてRNAは機能する。ところが、近年、そんなただの仲介者と思われていたRNAがタンパク質を合成するのかしないのかなどの命令をする(正確には調整をする)物質でもあることがわかってきた。つまりRNAはもしかするとDNAより偉いのである。このRNAの命令によってヒトなのか、牛なのか、虫けらなのかという形も決まっているらしい。そんなことで、RNAは偉いのであるから、薬にもなるかもしれない。

実は、すでに市場に出ているRNA薬は1種類だけ存在する。今後も研究が進めば、がんやウイルス病を治す特効薬としてRNAが使われる日も近いかもしれない。。

RNAのまずい点は、薬にするには製造コストが高すぎるのですが、私の研究室では、このRNAを圧倒的低コストで製造する方法の研究をしています。

将来、どんなに貧しくてもRNAを使う先端医療が受けられる世界を目指しています。

『今日から使って欲しい業界(専門)用語』 「RNAi(アールエヌエーアイ)」

「アールエヌエーアイ」という。RNA interference (アールエヌエー干渉)の略。1990年代最後(20世紀最後)の頃にアメリカのファイア博士とメロウ博士により発見された現象でRNAが遺伝子発現を抑制するというもの。この発見で二人は2006年のノーベル生理学・医学賞をとっている。この発見後、RNAが遺伝現象を支配しているということがわかってきた。


[初版作成]:2014-2-19 [最終改定]:2014-2-19
エフエム豊橋『天伯之城ギカダイ』第281回放送「RNAは偉い」環境・生命工学系教授 菊池 洋

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