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エフエム豊橋『天伯之城ギカダイ』第262回放送「京を用いた次世代車両設計技術の開発」機械工学系教授 飯田明由

機械工学系教授 飯田明由への取材は6月25日に行いました。

現在世界第4位の計算速度を誇る「京(けい)」コンピュータを使った自動車の開発技術を紹介します。「京」は神戸に設置されていますが、事前に申請して国が認めたプロジェクトであれば、インターネットを通じて遠隔地からも利用することができます。

コンピュータは計算速度が速いことだけが重要ではなく、それを使って何を求めるかが重要なことは言うまでもありません。我々は大規模数値解析を活用して、日本の「ものづくり」を変えて行こうと考えています。その一例として自動車の車内騒音をコンピュータを使って予測する手法を開発しています。

車体の周りの渦を計算し、この渦によって車体表面が振動し、さらにその振動が車内の騒音となります。従来のコンピュータでは流れと振動、音は別々にしか計算できませんでしたが、京のコンピュータパワーを活用することにより、流れと振動と音の連成解析が可能となります。また、自動車の形状の細かい部分まで再現することができるようになります。現在、自動車の表面を0.2mmくらいまで細かく分割した計算を行っています。

コンピュータの中で流れ、振動、音を計算することにより将来は試作車を作らずに新車の評価ができるようにすることが目標です。また、コンピュータを駆使して車両の設計を根本的に変えていくような革新的なシミュレーションを行うことがプロジェクトの目標となっています。

『今日から使って欲しい業界(専門)用語』 「連成解析 Coupling Analysis」

流れと音、流れと振動のようにいくつかの異なる物理現象をそれぞれの相互作用を考慮して解析する手法です。
一般にコンピュータを用いた物理量の解析には時間と空間を細かく分割して計算します。それぞれの物理量の解析には、それに適した分割方法があるため、複数の物理量を同時に計算しようとするとコンピュータの中で物理量をお互いに参照したり、その影響を計算する必要があります。このような計算は従来はできなかったのですが、コンピュータの能力が飛躍的に向上したため、最近様々な分野で「連成解析」が行われるようになってきています。
自動車の車内騒音解析では空力・構造振動・音響の3つの物理量の連成解析が試みられています。


[初版作成]:2013-08-15 [最終改定]:2013-08-15
エフエム豊橋『天伯之城ギカダイ』第262回放送「京を用いた次世代車両設計技術の開発」機械工学系教授 飯田明由

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