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エフエム豊橋『天伯之城ギカダイ』第240回放送「プラスチックを燃やして宇宙へ行きたい」機械工学系助教 松岡常吉

機械工学系 松岡常吉助教への取材は2月23日に行いました。

宇宙開発にはお金がかかるというのが一般的な認識だと思いますが、民間企業が参入し宇宙空間を利用したサービスや商品が出てくればそのコストは下げられると考えられます。民間企業が宇宙開発に参入するにはどうすればいいか?その最も大きな問題は実はコストではなくロケットのサイズにあります。

現在のエレクトロニクス技術を用いれば10kg程度の小型の人工衛星でたいていのミッションは達成可能です。しかし、現在JAXAで開発中の「小型」ロケットでさえ1200kgの衛星を打ち上げることができます。10kgで十分なのに1ton単位でしか利用できないのであれば簡単には利用できません。逆に言えば、小型のロケットを用意することができれば民間企業の参入を促進することができます。

ロケットエンジンとは推進剤(たいていの場合は燃焼ガス)を外部に放出することで推力を得るエンジンのことを言い、使用する推進剤によって液体ロケットと固体ロケットとに分類されます。液体ロケットでは推進剤は安価なのですが、構造が複雑なため小型化は困難です。一方、固体ロケットでは構造は簡単なのですが、推進剤として火薬を用いるためコストが高くなってしまいます。そこで、プラスチックを燃料とし酸化剤に酸素を使ったハイブリッドロケットというものが提案されています。ハイブリッドロケットは火薬を用いないので安全・低コストで構造も簡単なので小型化も可能です。しかし、プラスチックを燃料としているため燃やすのに時間がかかり推力が小さいというロケットエンジンとしては致命的な欠点があります。また、時間の経過とともに燃料の形状が変わってしまうことや、着火や消炎などの問題もあります。これらの問題を改善するため、私はプラスチックの燃焼を制御し効率よく燃やすための研究を行っています。

『今日から使って欲しい業界(専門)用語』 「ハイブリッドロケット」

ハイブリッドロケットと は相の異なる2種類の推進剤からなるロケットエンジンのことで、燃料にプラスチックやゴムなどの固体、酸化剤に液体酸素や絵酸化窒素などを用いたものが一 般的です。ハイブリッドロケットは火薬を用いてないため低コストで安全性に優れ、完全燃焼させることで環境負荷も小さいなどの利点があります。推力は他の ロケットエンジンシステムに比べて劣っていますが、最近ではそれを克服するためさまざまな新型ハイブリッドロケットモータが開発されています。


[初版作成]:2013-02-27 [最終改定]:2013-02-27

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