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エフエム豊橋『天伯之城ギカダイ』第235回放送「高齢者住宅制度の変遷とその課題」建築・都市システム学系助教 谷武

建築・都市システム学系 谷 武助教への取材は1月10日に行いました。

少子高齢化の進行と同居世帯の減少により、我が国では高齢単身または高齢夫婦世帯が急速に増加してきています。これまで高齢者は、自宅での自立生活が困難になると老人ホームに入所する人が多かったが、今後は高齢者住宅に入居する人が増えると考えられます。高齢者住宅とは、①高齢者が集まって暮らす住宅で、②建物が高齢者に配慮されて造りになっており、③必要に応じて生活支援サービスや介護サービスを受けられる住宅を指します。老人ホームのような高齢者居住施設では、生活支援サービスや介護サービスを受けることが前提であるのに対して、高齢者住宅は自立生活が基本であり、生活支援サービスおよび介護サービスの利用は必要に応じて利用する点で異なっています。現在、団塊の世代が高齢期に達し、今後さらに高齢者世帯が増加していくきますが、財政的な問題から高齢者居住施設の整備は難しくなってきており、この点からも高齢者住宅の整備が求められています。

しかしながら、住宅市場において高齢者住宅の供給は余り進んでいません。そのため、国交省を中心として国が高齢者住宅の供給を促進する制度を整備してきました。これまで、1987年のシルバーハウジングに始まり、1998年の高齢者向け優良賃貸住宅、2001年の高齢者円滑入居賃貸住宅、2005年の高齢者専用賃貸住宅、そして、2011年にはサービス付き高齢者向け住宅制度が整備されました。

私の研究では、自治体担当者へのヒアリング調査を行うと共に、実際に多くの高齢者住宅を訪問して建物の視察と運営者へのヒアリング調査を行う事で、入居者の構成、住戸の造り、共用空間の特徴、介護事業所の併設状況、管理体制、利用料金の設定など、高齢者住宅の現状と課題を明らかにし、よりよい高齢者住宅のあり方を検討することを目的としています。

『今日から使って欲しい業界(専門)用語』 「サービス付き高齢者向け住宅(略して、サ高住)」

平成23年度に創設された高齢者住宅の制度です。国の高齢者住宅制度の見直しにより、それまでの高齢者円滑入居賃貸住宅、高齢者向け優良賃貸住宅、高齢者専用賃貸住宅を廃止し、サービス付き高齢者住宅に一本化された。従来の高齢者住宅と比べて、生活相談および安否確認サービスの提供が必須化された点に特徴があり、より生活支援サービスや介護サービスとの連携が図られるようになっています。また、国から事業者に対して、1戸当たり最高100万円の建設費補助が行われます。国では平成32年までに高齢者住宅を高齢者人口の3~5%まで増加させることを目標としており(平成17年時点では0.9%)、今後、サ高住の供給が増加すると考えられます。


[初版作成]:2013-01-29 [最終改定]:2013-01-29

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