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エフエム豊橋『天伯之城ギカダイ』第211回放送「地域の食品に付加価値を 工学と食べ物の未来」環境・生命工学系 吉田祥子講師

環境・生命工学系 吉田祥子講師への取材は7月17日に行いました。

食べ物は、私たちの健康と生命の維持に不可欠なものです。それは単なる栄養としてだけではなく、こころを癒す楽しみとして、生活のアクセントとして、時には(口腔や消化器の)運動として、私たちに働きかけます。

食生活の欧米化が言われて既に数世代が経過した日本では、おふくろの味も、食肉や油を使った料理が中心になってきました。さらに食の外注化で、外食、スーパーの総菜、コンビニの食品が一般家庭でよく利用されています。これらと平行して、生活習慣病が日本人の健康を浸食するようになってきました。特に糖尿病は、過去40年で患者が約3万人から700万人に増加し、糖尿病予備軍は5人に1人に達すると言われています。糖尿病を発症してからの食事制限は一生続く厳しいもので、食事管理ができず悪化される方も少なくありません。

日々の食事の中で健康を維持できる食品を、豊橋から送り出せないかという熱意を持った地元企業と、私たちの工学技術が協力して、「おいしい、あたらしい」食べ物を探っています。キーワードは、GABA(ギャバ)です。脳の中の重要な情報伝達分子であるGABAは、身体の中では血圧や膵臓の状態を整える分子として働いています。薬ではないので、ゆっくりと、効果が現れます。元々は、日本的な食生活、例えば漬け物や、発酵食品、魚の内蔵や、穀物、そういうものに含まれていたGABAが、食生活の変化で取り入れにくくなっているとしたら、別のカタチで食卓に届けたい、そして日々の健康を取り戻したい。工学の研究も、こうやって健康な生活のお手伝いをしています。

病気になったら薬で治す、だから大丈夫、と思っているアナタ!薬の多くは、効果があると同時に、何らかの「毒」です。毎日を、病気にならないように、過ごしましょう。

『今日から使って欲しい業界(専門)用語』 「動的協同性(dynamic cooperativity)」

「協同組合」(Co-op)とよく似た言葉ですが、意味もちょっと似ています。生きているということは、いろいろな要素が絡み合ってつくられた大きな秩序であり、ちょっと変わってもまた元に戻る性質があります。このように、変わるけれど変わらない、こういう性質を作り出しているのが、生物の動的協同性です。

生きている状態は、少数の何かで決定したり変更したりすることが難しい現象です。だからこそ、ちょっと調子が悪くても回復しますし、なかなかダイエットできなかったりします。生物を構成する多くの物質やその働きが、みんなで協力して(cooperative)、絶えず移り変わる(dynamic)状態を作りだしている、まさに「生き生き」した状態をつくる性質です。


[初版作成]:2012-8-16 [最終改定]:2012-8-16

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