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鯉田 孝和テニュアトラック准教授のサルの色盲についての共同研究論文が公開されました。

以下のタイトルで鯉田 孝和テニュアトラック准教授の

色盲サルについての共同研究成果が発表されましたのでお知らせいたします。

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タイトル:Color vision test for dichromatic and trichromatic macaque monkeys

論文誌名:Journal of Vision, November 1, 2013 vol. 13 no. 13 article 1

論文概要:

色覚異常のサルをインドネシアから日本に輸送し、繁殖させ、動物心理物理実験により厳密に一型二色覚であることを明らかにした。

この研究成果における3つのポイント:

・豊橋技科大はヒト色覚異常研究の拠点であり、

京大霊長研生理研ボゴール農大(インドネシア)との共同プロジェクトによる。

・本研究が基点となり、サルでも色覚異常研究が本格的に始まります


背景:

 色覚異常とは、ヒトの数%がもつ先天的な特性で、赤と緑といった特定の色の区別が付かない。このため色による情報表示のに注意を要するなど社会設計の一つの基盤となっている。また、色覚異常者の色覚特性を詳細に調べることで、正常の三色覚者の眼と脳の働きが明らかになったという歴史もある。

 マカクザル(ニホンザルなど)はヒトと同一の三色性を持っており、脳の働きを研究するモデル動物として広く用いられている。2000年にわれわれの研究グループはインドネシアで色覚異常のサルを発見した。遺伝子検査により二色性色覚(一型二色覚)と判定されたが、実際に個体がどのような色知覚を有しているかは、実験室で精密な心理物理実験が必要であった。また、この貴重な遺伝子資源(3000頭の検査でたった3頭のみ発見、世界でわれわれのグループのみ保有)を維持し、実験対象としていくためにも、国内での繁殖が求められた。

 そこで私たち研究グループは、色盲サルの輸入、国内での繁殖(京大霊長研、犬山)を試み、色覚異常の子を得た。実験では、繁殖した色盲サルと比較用の正常三色覚サルを用いて、色を見分ける二つの実験を行った。その結果、長波長側での検出感度の低下、特定の色相の混同という一型二色覚の特徴が顕著に確認された。このことから知覚特性からもヒトと同じ色覚異常であることが確定した。

 また、色盲個体は、混同しない色相に関しては、正常三色覚よりも明らかに色識別の精度が高く、二色覚という限られた情報を最大限に生かして、外界の色情報を読み取っていることが分かった。

 本研究が起点となり、サルでも色覚異常研究が本格的に始まることが期待できる。

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書誌情報:

Title: Color vision test for dichromatic and trichromatic macaque monkeys

Journal of Vision, November 1, 2013 vol. 13 no. 13 article 1

 

Authors:

Kowa Koida*,1,2

Isao Yokoi*,1,3

Gouki Okazawa1,3

Akichika Mikami4

Kanthi Arum Widayati5

Shigehiro Miyachi6

Hidehiko Komatsu1,3

Author affiliations:

  1. 1National Institute for Physiological Sciences, Okazaki, Aichi, Japan
  2. 2Electronics-Inspired Interdisciplinary Research Institute, Toyohashi University of Technology, Toyohashi, Aichi, Japan
  3. 3University for Advanced Studies (SOKENDAI), Okazaki, Aichi, Japan
  4. 4Faculty of Rehabilitation, Chubu Gakuin University, Seki, Gifu, Japan
  5. 5Department of Biology, Bogor Agricultural University, Bogor, Indonesia
  6. 6Primate Research Institute, Kyoto University, Inuyama, Aichi, Japan

* These authors equally contributed to this work.

Corresponding authors: Kowa Koida and Hidehiko Komatsu.

-------------------------------------------------------------------------------------------------------以上

PressRelease(鯉田).pdf

更新日:2013年11月05日