豊橋技術科学大学

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横山 誠二(よこやま せいじ)

所属 機械工学系
職名 准教授
専門分野 金属物理化学 / リサイクル/環境化学
学位 工学博士(名古屋大学)
所属学会 日本鉄鋼協会 / 日本セラミックス協会
E-mail yokoyama@me
※アドレスの末尾に「.tut.ac.jp」を補完してください
研究室web http://www.tf.me.tut.ac.jp/
研究者情報(researchmap) 研究者情報

研究紹介

これまで溶融金属の物理化学に関する研究として、クロム鉱石の溶融還元、耐火物とスラグとの反応、反応性ガス気流中での金属の蒸発促進と化合物超微粒子の合成、アンモニアスプラッシュ法による金属微粒子の合成などを行ってきた。また、自動車のリサイクルに関連した解体工具の開発、ワイヤーハーネスからの金属銅の機械的分離と被覆材からの活性炭の合成を行ってきた。
 現在は、環境に関する研究として、二酸化炭素の吸収固定に関する研究、鉄鋼スラグの安全性と有価物の回収、電気炉ダストからの有価物の抽出に関する基礎研究を行っている。また、溶融銅合金中への黒鉛の溶解度測定、およびその成果を基にした黒鉛分散銅合金基複合材料の創製している。さらに、高窒素含有鉄の作成および機械的性質について研究している。

テーマ1:Ca含有物質による二酸化炭素の吸収

概要
図1 二酸化炭素の吸収量

現在,地球温暖化の原因となる二酸化炭素などの温室効果ガスが増加しており,その分離,回収および固定などの開発が望まれている.一方で,鉄鋼スラグやコンクリートの処理が問題となっている.これらには二酸化炭素と反応しやすい酸化カルシウムが含まれている.そこで,これらに二酸化炭素を吸収固定する技術の開発を行っている.
これまでに,湿式粉砕下での二酸化炭素の吸収量とその速度は乾式粉砕下でのそれらよりも大きいこと,粉砕機を動かす際に発生する二酸化炭素量よりもその吸収固定量は大きいことなどを見出している(図1).

1) M.N.N.Hisyamudin(博士課程), S.Yokoyama and M.Umemoto:”Storage of CO2 in Low Al2O3 EAF Oxidizing Slag by Grinding with Vibration Mill”, Materials Science Forum, Vol.634-636 (2010), p.2927-2930
2) S.Yokoyama, R.Sato, N.H.B.M.Nor(博士課程), M.Umemoto: “Behavior of CO2 Absorption in Wet-grinding of Electronic Arc Furnace Reduction Slag by Vibration Ball Mill”, ISIJ International, Vol.50 (2010), No.3, p.482-489

キーワード

地球温暖化,二酸化炭素,吸収,スラグ,セメント

テーマ2:電気炉スラグの再利用に関する研究

概要
図2 電気炉酸化スラグからの溶出量

鉄鋼業などではスラグが大量に排出されているが,最終処分場の逼迫などにより,スラグの特長を生かした新しいスラグの活用技術の開発が現在求められている.その一つとして,海岸への覆砂材としての利用が考えられている.本研究では,スラグの溶出試験を行い,環境規制物質や規制外であるスラグの主要成分の溶出挙動(図2)を調査している.現在,環境規制物質の溶出量は基準値内であり,スラグを水域で使用できることなどが分かった.また,植物プランクトンの増殖に必要な鉄やシリコンなどを溶出させ,その増殖による二酸化炭素の取り込みを増大させること検討している.

1) S.Yokoyama, A.Suzuki, N.H.B.M.Nor(博士課程), H.Kanematsu, A.Ogawa, T.Takahashi, M.Izaki and M.Umemoto: “Serial Batch Elution of Electronic Arc Furnace Oxidizing Slag Discharged from Normal Steelmaking Process into Fresh Water”, ISIJ International, Vol.50 (2010), No.4, p.630-638
2) 横山誠二,鈴木玲人,伊崎昌伸,梅本実:“電気炉酸化スラグの淡水への溶出挙動”,鉄と鋼,Vol.95 (2009), No.5, p.434-443

キーワード

電気炉スラグ,溶出試験,環境規制物質,植物プランクトン

テーマ3:使用済み自動車のリサイクル

概要
図3 導線から機械的に分離された銅と被覆材

現在,日本では年間約500万台の自動車が廃車になっている.本研究では,解体の効率化とリサイクルの研究として,解体工具の開発,ワイヤーハーネスのリサイクルに関する研究を行っている.これまでに,フロントガラスなど取り外す工具を開発し,フロントガラス等を使効率的に取り外せ,その中古部品としての使用を可能とした.また,ワイヤーハーネスに含まれる銅を機械的に取り出すプロセスを開発している.これまで,圧延機を用いたプロセス(図3)を開発してきたが,現在は別方式のプロセスを検討している.

1) S. Yokoyama, S. Takeuchi, M.N.N.Hisyamudin(博士課程):“Mechanical Separation of Metallic Copper from Polymer-Insulated Copper Wire”, International Conference on Advanced Materials and Processing Technology (AMPT2010), Paris, (France), 24?27 October 2010,AIP Conference Proceedings Vol. 1315, p.1527-1532
2) S. Yokoyama, S. Takeuchi, H. Hashimoto, S. Maki: “Mechanical Separation of Metallic Copper from PVC(polyvinylchloride) Coated Copper Wire of Wire Harness by Rolling”, Proceedings of the International Federation of Automotive Engineering Societies (FISITA-2006), Yokohama, (CD ROM)

キーワード

リサイクル,ワイヤーハーネス,被覆導線

担当授業科目名(科目コード)

物理実験(GEN_PRN11020)/ 機械工学輪講(MEC_BAC48010)/卒業研究(MEC_BAC48010)/ 材料物理化学(MEC_BAC31320)/ 材料解析(MEC_BAC34022)/ 機械工学輪講Ⅰ(MEC_MAS51010)/ 機械工学輪講Ⅱ(MEC_MAS61010)/ 機械工学特別研究(MEC_MAS61010)/ 材料反応工学特論(MEC_MAS54020)/ 機械工学特別輪講Ⅰ(MEC_DOC71010)/ 機械工学特別輪講Ⅱ(MEC_DOC71010)/ 生産加工特論(MEC_DOC74020)

その他(受賞、学会役員等)

・低,中炭素鋼の析出硬化
・反応性ガス気流中蒸発による金属,金属酸化物,金属窒化物超微粒子の合成
・電気炉ダストからの有価物の回収


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