豊橋技術科学大学

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齊戸 美弘(さいと よしひろ)

所属 応用化学・生命工学系
職名 教授
専門分野 マイクロ分離科学 / 分析化学
学位 博士(工学)
所属学会 日本化学会 / 日本分析化学会 / クロマトグラフィー科学会 / American Chemical Society
E-mail saito@chem
※アドレスの末尾に「.tut.ac.jp」を補完してください
研究室web http://chem.tut.ac.jp
研究者情報(researchmap) 研究者情報

研究紹介

私たちの研究グループでは、分析化学分野で最も一般的に使用されている分離手法のひとつである、クロマトグラフィー分離技術の高性能化および小型化について研究しています。具体的には、クロマトグラフィーにおいて実際の試料成分の分離が行われる『固定相』と呼ばれる分離媒体の開発ならびにその性能向上について研究するとともに、周辺技術との効率的複合化についても研究しています。
従来の分離媒体とは異なった内部構造を有する、繊維充填型キャピラリーの開発は最近の代表的な研究成果です。耐熱性・耐溶媒性を有する繊維を固定相とすることから、ガスクロマトグラフィーにおける高温分離操作が可能であるほか、液体クロマトグラフィーの固定相としての応用、あるいはマイクロ試料前処理技術の抽出媒体としての応用など、装置のマイクロ化と併せて今後の幅広い展開が期待されています。

テーマ1:新規分離固定相の開発

概要

クロマトグラフィーは最も有効な分離技術のひとつとして化学、薬学、医学をはじめとする科学の幅広い分野で実用化されてきています。しかしながら、この技術の基本となる分離メカニズムについては未知の部分が多く残されています。
本研究では、分子形状認識に基づいた分離メカニズムの解明、およびその結果を基にした新規固定相の開発を行っています。最近では耐熱性の高強度合成繊維を応用したガスクロマトグラフィー用充填キャピラリーカラムの開発にも着手し、その新規性や広い応用範囲が国内外の研究者から注目されています。

キーワード

分子形状認識、化学結合型固定相、液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、分離メカニズム

テーマ2:試料前処理技術のマイクロ化

概要

現在、主に使用されている試料前処理手法は多量の有機溶媒を必要とするため、これらの溶媒の使用・廃棄にかかる費用の問題および溶媒の使用による環境汚染問題に対する解決が求められてきています。
本研究では、耐溶媒性の繊維を用いた無溶媒試料前処理法の応用ならびに分析システム全体の複合化・マイクロ化による新規微量分離分析法の開発に取り組んでいます。特に、試料の分析前処理操作に用いる超小型試料抽出カートリッジの開発、ならびにそれらを内蔵した高性能マイクロ分離分析システムの構築について研究しています。

キーワード

ファイバー・イン・チューブマイクロ固相抽出、マイクロカラム分離技術、試料前処理、微量分離分析

テーマ3:針型デバイスによる高感度環境分析法の開発

概要

ホルムアルデヒドなどの室内環境に存在する揮発性有機化合物を測定する空気環境評価技術の開発は、最近特に注目されてきている研究テーマのひとつです。
本研究では、粒子状あるいは繊維状の高分子を抽出・捕集媒体として応用した針型試料採取デバイスを開発し、空気あるいは呼気などの気体試料の前処理濃縮に適合した試料前処理技術、ならびにそれらを応用した微量分離分析技術に関する研究を行っています。

キーワード

シックハウス症候群、オンサイトサンプリング、誘導体化反応、空気環境分析、空気環境評価技術

担当授業科目名(科目コード)

基礎分析化学1, 分析化学1, 分析化学2, 分析化学3, 分析化学4, 分離科学, 分離科学特論, 分子機能化学特論 II

その他(受賞、学会役員等)

上記の研究テーマの他、関連研究として
1)キャピラリークロマトグラフィーの高性能化・複合化技術の開発、
2)多環芳香族化合物の分離挙動の解析ならびに
3)各種生体試料・環境試料の分析前処理技術の開発などについても研究しています。


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