豊橋技術科学大学

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竹内 啓悟(たけうち けいご)

所属 電気・電子情報工学系
職名 准教授
専門分野 無線通信 / 情報理論 / 信号処理
学位 博士(情報学) (京都大学)
所属学会 IEEE / 電子情報通信学会 / 日本物理学会
E-mail takeuchi@ee
※アドレスの末尾に「.tut.ac.jp」を補完してください
研究室web https://comm.ee.tut.ac.jp/csp/
研究者情報(researchmap) 研究者情報

研究紹介

未来の無線通信では、従来に比べて格段に高い要求基準を満たすために、現状の常識にとらわれない画期的な通信方式の創出が欠かせません。そのような通信の世界における「パラダイムシフト」を実現する戦略として、本研究室では分野横断的な視点で研究を進めています。現在直面している問題の表面的な姿には何の関連性も無いように見えたとしても、問題の本質部分を突き詰めてみると、実はまったく同じ問題が他分野で既に解決されていたということがあります。そのような他分野における研究成果を通信の世界に持ち込むことで、新規の通信方式を実現するとともに、通信の分野における研究成果を本質的に同じ問題を扱う他分野に発信することで、通信を含む幅広い分野の学術・産業の発展に貢献することを目指しています。

テーマ1:大規模MIMO

概要

MIMO (multiple-input multiple-output)とは、送受信側で複数のアンテナを利用して情報伝送を行う無線通信システムのことです。特に大規模MIMOでは、基地局に数百本のアンテナを用意することで、数百人のユーザを同時にサポートすることを目指しています。このようなシステムでは多数のユーザに関する情報を効率的に同時処理する必要があり、従来の受信方式では歯が立ちません。本研究室では、統計的推測の分野で提案されたメッセージ伝播法と呼ばれる反復法を基礎として、大規模MIMOと本質的に同じ問題を扱っている圧縮センシングと呼ばれる分野で提案された解決策を応用・発展させて、大規模MIMOにおける効率的な受信方式の創出を目指しています。

主な業績

[3] K. Takeuchi, "On the Convergence of Orthogonal/Vector AMP: Long-Memory Message-Passing Strategy," IEEE Trans. Inf. Theory, vol. 68, no. 12, pp. 8121-8138, Dec. 2022.
[2] K. Takeuchi, “Bayes-Optimal Convolutional AMP,” IEEE Trans. Inf. Theory, vol. 67, no. 7, pp. 4405-4428, Jul. 2021.
[1] K. Takeuchi, "Rigorous Dynamics of Expectation-Propagation-Based Signal Recovery from Unitarily Invariant Measurements," IEEE Trans. Inf. Theory, vol. 66, no. 1, pp. 368-386, Jan. 2020.

キーワード

大規模MIMO、圧縮センシング、メッセージ伝播法

テーマ2:深層学習

概要

従来のアルゴリズム設計では人間の研究者が、アルゴリズムに含まれるパラメータを数値実験等に基づいて手作業で設計していました。このような設計作業は多大な時間を要するため、研究者の経験に基づいて、設計パラメータの数を減らしたり、パラメータが取りうる値を制限したりして、設計に要する時間を減らすための試行錯誤が行われてきました。本研究室では、反復アルゴリズムを反復回数と同数の層を持つ深層ニューラルネットワークとみなすことで、人工知能(AI)がアルゴリズムのパラメータを設計するための深層学習法の創出を目指しています。

主な業績

[1] T. Yoshida and K. Takeuchi, "Deep Learning of Damped AMP Decoding Networks for Sparse Superposition Codes via Annealing," IEICE Trans. Fundamentals., vol. E106-A, no. 3, pp. 414-421, Mar. 2023.

キーワード

深層学習、反復アルゴリズム、パラメータ設計

テーマ3:誤り訂正符号

概要

誤り訂正符号とは、送りたい情報に冗長な情報を事前に付加することで、通信路上のノイズによって送信情報に誤りが生じたとしても、受信側で誤りを訂正する符号化技術のことです。本研究室では、特にスパース重ね合わせ符号と呼ばれる誤り訂正符号に着目し、復号法の研究をしています。スパース重ね合わせ符号とは、シャノン限界を達成するものの実現不可能な理論上の産物であったランダム符号化を実現可能な符号化方法に改良することで、実用的な計算量でシャノン限界を達成できる誤り訂正符号です。スパース重ね合わせ符号の復号問題と圧縮センシングの信号再構成問題との類似性に着目し、圧縮センシングで使用されたメッセージ伝播法をスパース重ね合わせ符号の復号に応用することを目指しています。

主な業績

[2] T. Yoshida and K. Takeuchi, "Deep Learning of Damped AMP Decoding Networks for Sparse Superposition Codes via Annealing," IEICE Trans. Fundamentals., vol. E106-A, no. 3, pp. 414-421, Mar. 2023.
[1] H. Mayumi and K. Takeuchi, "Expectation Propagation Decoding for Sparse Superposition Codes," IEICE Trans. Fundamentals., vol. E103-A, no. 12, pp. 1666-1669, Dec. 2020.

キーワード

スパース重ね合わせ符号、圧縮センシング、メッセージ伝播復号法

担当授業科目名(科目コード)

通信工学概論 / 確率統計 / 信号解析論 / 情報通信システム論II

その他(受賞、学会役員等)

(受賞歴)
2022年3月 豊橋技術科学大学2021年度研究活動表彰論文賞
2021年10月 35th Conf. Neural Inf. Process. Syst. (NeurIPS 2021) Outstanding Reviewers
2021年9月 IEICE基礎・境界ソサイエティ貢献賞
2017年12月 IEEE名古屋支部若手奨励賞
2017年9月 電子情報通信学会基礎・境界ソサイエティ編集活動感謝状
2016年2月 2016 Exemplary Reviewers of IEEE Trans. Commun.
2015年9月 電子情報通信学会基礎・境界ソサイエティ貢献賞
2012年9月 電子情報通信学会通信ソサイエティ活動功労賞
2009年12月 情報理論とその応用学会(SITA)奨励賞
2009年2月 IEEE関西支部学生研究奨励賞


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