豊橋技術科学大学

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河村 庄造(かわむら しょうぞう)

所属 機械工学系
兼務 健康支援センター
安全安心地域共創リサーチセンター
職名 教授
専門分野 機械力学 / 計算力学
学位 工学博士(名古屋大学)
所属学会 日本機械学会 / 計測自動制御学会 / 自動車技術会 / 日本臨床バイオメカニクス学会 / バイオメカニズム学会
E-mail kawamura@me
※アドレスの末尾に「.tut.ac.jp」を補完してください
研究室web http://dynaweb.me.tut.ac.jp
研究者情報(researchmap) 研究者情報

研究紹介

機械・機器・構造物・スポーツ用具などの人工物および身体運動のモデル化,解析、設計に関する教育・研究を行っています。このとき対象物の振動や動作などの動的挙動に注目しています。

テーマ1:人工物の動特性同定(実験モード解析)に関する研究
・形状加工が対象物の減衰特性に及ぼす影響
・支持特性を考慮した実験モード解析法
・対象物の減衰特性の数学モデルの構築

テーマ2:人工物の免震・振動抑制と健全性評価に関する研究
・長周期地震動に対する振り子型動吸振器の設計
・非線形特性を有する免震テーブルの設計
・多自由度系及び連続体に対する多重動吸振器の設計
・異常診断のための応答及び励振力の同定
・伝達率関数に基づく階層構造物の健全性評価

テーマ3:スポーツ工学・ヒューマンダイナミクスに関する研究
・動作中の人体の力学モデルの構築
・下肢-スポーツサーフェスの連成解析

テーマ1:人工物の動特性同定(実験モード解析)に関する研究

概要
L型に形状加工されたはりの有限要素解析

高性能な機械・機器・構造物を作り出すためには、運転中あるいは外力が作用しているときに発生する振動を、設計段階で高い精度で予想する必要があります。近年のCAE技術の進歩によってCADデータからかなり精度良く振動現象を予測できるようになりましたが、さらに予測精度の向上が求められています。
実際の機械等では、複雑に形状加工された部材が用いられますが、CAEで解析する際には、単純形状の試験片から得られた動特性を用います。形状加工が動特性(特に減衰特性)に及ぼす影響を解明することで、単純形状の動特性を、実際の形状の動特性に用いることができるようになります。さらに単純形状の試験片の動特性を同定する場合でも、本来は自由支持状態が望ましいのですが、実際には何らかの支持をしないと測定ができません。そこで支持条件を考慮した実験モード解析手法の開発を行っています。これらの研究において、我々が開発した新しい実験モード解析手法(直線フィット法)を採用しています。

主な業績

Shozo Kawamura, Masato Kita, Masami Matsubara, Tomohiko Ise, Study of the effect of specimen size and frequency on the structural damping property of beam, Mechanical Engineering Journal, Vol.3 (2016), No.6, Paper No.16-00446.

キーワード

振動工学、実験モード解析、直線フィット法

テーマ2:人工物の免震・振動抑制と健全性評価に関する研究

概要
長周期地震動を考慮した免震装置

現在、様々なタイプの免震装置が開発されていますが、それらの多くは短周期地震動を対象としており、固有周期が1~5秒に設定されています。最近注目されている長周期地震動は、まさにその固有周期に近い周期成分を含んでいるため、免震テーブルが共振するという問題点があります。そこで、短周期地震動を想定して設計された免震装置に長周期地震動が作用して免震テーブルの振動振幅が大きくなった時に、免震テーブルに復元要素を追加することで免震装置の固有振動数を高くして共振を抑制する免震システムを提案しています。さらに振り子型動吸振器を用いることで、長周期地震動による共振を抑制するシステムを開発しています。また動吸振器の応用として、多自由度系や連続体に複数の動吸振器を設置する際の最適設計に関する研究も進めています。
また設計通りに正しく作られた機械であっても、運転中に何らかの異常が発生すると、設計段階では予想していなかった振動が現れ、機械の損傷を引き起こす可能性があります。そのため、異常が発生した場合に測定された振動情報を利用して異常原因を診断することが重要です。ここでは、あらかじめ診断対象機械の数学モデルを構築しておき、それに基づいて診断を行う「モデルベース診断」に着目してます。そのような診断を行うためには、対象物に作用している励振力を同定する必要があり、様々な同定手法を提案しています。また層状構造物の場合に、壁部分のひずみを測定することで異常発生階層を特定する方法や、構造物の周波数応答関数に基づいて健全性評価を行う手法を提案しています。

主な業績

河村庄造,野村幸一,伊勢智彦,松原真己,長周期地震動に対応した免震装置の提案に関する研究(追加ばねによって免震装置の固有振動数を変化させる方法),日本機械学会論文集,Vol.85 (2019), No.871, Paper No.18-00336.
Shozo Kawamura, Sho Miyagi, Tomohiko Ise, Masami Matsubara, Structural health monitoring of layered structure by strain measurements, Mechanical Engineering Journal, Vol.6 (2019), No.1, Paper No.18-00390.

キーワード

振動工学、免震装置、長周期地震動、動吸振器、逆問題、外力同定、健全性評価

テーマ3:スポーツ工学・ヒューマンダイナミクスに関する研究

概要
筋骨格モデルの例(ソフトウエア:Any Body)

スポーツ動作の一例として走行を取り上げ、ヒトとスポーツ環境に関する研究を行っています。
ランナーの障害防止や成績向上のために、つま先接地走法とかかと接地走法の違いや、走路条件が変化した時の動作の違いを研究しています。さらに、走行時に、例えば腕、肩に力を入れた場合と脱力した場合の動作の違いも検討しました。
またスポーツサーフェスにも注目しています。スポーツサーフェスは、プレイヤーが高いパフォーマンスを発揮できることと共に、プレイヤーを怪我や障害から守る役目を担っており、特にランナーズ障害を予防するための人に優しい走路について研究しています。具体的にウレタン走路およびロングパイル人工芝を対象として、鉛直と水平の二方向衝撃試験からサーフェスの数学モデルの同定を行っています。

主な業績

河村庄造,湯川治敏,平井彰,青山新輔,松原真己,走行動作における下肢の関節モーメント・関節間力及び筋活動に関する研究(踵接地走法とつま先接地走法の比較),日本機械学会論文集,Vol.82 (2016), No. 834, Paper No.15-00438.

キーワード

スポーツ工学、ヒューマンダイナミクス、筋骨格モデル,逆動力学

担当授業科目名(科目コード)

プロジェクト研究 / 振動工学 / 応用振動工学 / モード解析特論/ 実用振動工学特論/機械システム特論

その他(受賞、学会役員等)

日本機械学会学会賞(論文賞)(2020, 2022),日本機械学会東海支部賞(貢献賞)(2020),
日本機械学会理事(2018-2019),自動車工業会理事(2020-2021) 他.


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