豊橋技術科学大学

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吉田 絵里(よしだ えり)

所属 応用化学・生命工学系
職名 准教授
専門分野 超分子化学 / 高分子化学 / コロイド化学
学位 博士(工学)(東京工業大学)
所属学会 日本化学会 / アメリカ化学会 / 高分子学会 / 化学工学会 / 日本油化学会
E-mail eyoshida@chem
※アドレスの末尾に「.tut.ac.jp」を補完してください
研究者情報(researchmap) 研究者情報

研究紹介

(1)光精密ラジカル重合を用いる高分子の設計と合成
 安定ラジカルによる光リビングラジカル重合を用いて、機能性高分子材料を設計している。

(2)機能性高分子界面活性剤の開拓
 酸化や還元などの反応性を有する高分子界面活性剤をはじめ、耐光性官能基や染料分子有する高分子界面活性剤の合成を通して、機能性ナノ材料を開拓している。

(3)超臨界二酸化炭素を用いる高分子材料の開拓
 超臨界二酸化炭素を溶媒として、超撥水性表面処理技術の開拓や、多面体型ミクロ粒子を創製している。

テーマ1:光精密ラジカル重合による高分子設計

概要

分子量の制御された高分子を“光ラジカル重合”で合成しています。分子量の制御剤に用いているのは、抗酸化剤や紫外線吸収剤として知られる安定なニトロキシルラジカルです。この化合物は、イオン反応に対して比較的安定なので、さまざまな誘導体に変換することができます。本研究室では、このニトロキシルラジカルの種々の誘導体を合成し、さまざまな構造をもつ高分子を開発しています。例えば、イオン重合や重縮合で得られる高分子の末端にニトロキシルラジカルを導入し、その高分子を制御剤に用いることで、異なる重合法で得られる高分子同士のブロック共重合体を得ることができます。これらの高分子は、機能性界面活性剤をはじめ、インテリジェントポリマーとして多くの工業的材料に使われています。

キーワード

光精密ラジカル重合・分子量制御・ニトロキシルラジカル誘導体

テーマ2:機能性高分子界面活性剤の開拓

概要

外部刺激に応答する高分子界面活性剤を開発しています。特に、当研究室で開発しているのは、温度や圧力、pHなどの外部刺激だけでなく、酸化や還元のような電子移動反応や光反応によって界面活性剤の凝集が促進される新しいタイプの高分子界面活性剤です。これらの界面活性剤が形成する凝集体は、数十ナノメートルの球状粒子で、かつその内部に物質変換機能や保湿機能、接着機能など、種々機能を有しているインテリジェントなナノ粒子です。これらの機能性ナノ粒子は、ナノ酸化剤をはじめ、各種センサーや特殊塗料、分解機能性脱臭剤など、さまざまな用途が期待されます。

キーワード

高分子界面活性剤・刺激応答性・自己組織化・球状ナノ粒子・高分子ミセル

テーマ3:超臨界二酸化炭素を用いる材料設計

概要

二酸化炭素に圧力をかけていくと、31℃、73気圧以上で、気体のように分子同士の相互作用がなく、かつ粘性がない液体状態、つまり、“超臨界状態”になります。この“超臨界二酸化炭素”は、環境への負荷が低いことから、有機溶媒の代替物として近年注目を集めています。当研究室では、この超臨界二酸化炭素を用いた新しい材料開発を行っております。例えば、ある種の高分子に超臨界二酸化炭素中で圧力をかけると、わずか数分で球状の微粒子を得ることができます。この方法には、従来の超臨界二酸化炭素中での重合法を用いていないので、微粒子内に未反応のモノマーが残留しない安全性の高い微粒子製造技術です。さらに、この微粒子をガラス表面に塗布すると、接触角170度以上の超はっ水表面が得られます。この技術は、ワイパーの不要な車輌の開発として、現在注目されています。

キーワード

超臨界二酸化炭素・球状微粒子・高分子凝集体・超撥水表面・表面処理

担当授業科目名(科目コード)

有機材料工学特論 / 高分子科学 / 化学基礎 / 化学II / 基礎有機化学II / 基礎科学技術英語II / 環境・生命工学基礎実験 /


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