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豊橋技術科学大学 開学40周年記念式典・記念講演会・記念祝賀会を挙行しました。

イベント報告 | 2016年10月12日


記念式典記念式典

10月3日に、豊橋技術科学大学 開学40周年記念式典、記念講演会及び記念祝賀会を挙行しました。

記念式典では、はじめに大西隆学長が式辞を述べ、続いて、氷見谷直紀 文部科学省高等教育局国立大学法人支援課長、山本健慈 一般社団法人国立大学協会専務理事、根本幸典 国土交通大臣政務官兼内閣府大臣政務官・衆議院議員、石原君雄 愛知県副知事、佐原光一 豊橋市長よりご祝辞を頂戴しました。また、長年に渡り本学の発展にご支援を頂いている豊橋技術科学大学協力会及びオーエスジー株式会社に感謝状の贈呈を行い、開学40周年記念歌「希望の丘」を作詞・作曲した平石明教授を表彰しました。

記念講演会記念講演会

記念講演会では、中鉢良治 国立研究開発法人産業技術総合研究所理事長より「技術を社会へ」と題してご講演いただき、約740名の出席者が熱心に耳を傾けました。

記念祝賀会記念祝賀会

記念祝賀会では、大西隆学長の挨拶の後、来賓の方々よりご祝辞を頂戴しました。続いて、鏡開き、本学吹奏楽団による祝賀演奏等が行われ、盛況のうちに終了しました。

大西隆学長からの式辞は次のとおりです。

学長式辞学長式辞

文部科学大臣の代理としてお越しいただきました高等教育局国立大学法人支援課長 氷見谷直紀(ひみやなおき)様をはじめとするご来賓の皆様、地元市民や経済界の皆様、本学教職員学生の皆様のご参集によって、豊橋技術科学大学開学40周年の記念式典を開催できることに感謝します。

豊橋技術科学大学は、40年前に、高等専門学校の卒業生を受け入れるとともに、工学の習得を目指す普通高校と工業高校の卒業生を受け入れる目的で設立されました。
開学間もない頃、姉妹校として同時期に開学した長岡技術科学大学に勤務することになった私は、「技術科学」という大学名が新鮮に感じられたのを覚えています。一般的な用語である科学技術と間違われることもありますが、「技術科学」には本学の目的を表す重要な意味が込められています。自然科学や社会科学といった分野があるように、技術科学は、モノづくりやモノの計画や設計、あるいは材料の考案に有効な技術を支える原理や法則を見出し、深めることを通じて、技術の改良、新技術の開拓、さらに技術の応用を図る分野であり、極めて応用性の高い科学であります。そして、その探求こそが本学の設立の目的です。
本学のモットーである、「技術を究め、技術を創る」ことは、その基礎に技術科学をおいてこそ成立します。開学以来、本学では、実践的・創造的、かつ指導的技術者・研究者の養成を目標に歩みを重ね、およそ2万7千人の卒業生を、産業界、行政、教育・研究分野の第一線に送り出してきました。
40年といえば、初期の卒業生はそれぞれの職場で指導的な役割を果たしている年齢です。ノーベル物理学賞を受賞した天野教授の同僚としてともに結晶成長の研究を行った小出康夫さんは、現在物質材料研究機構の理事を務めています。防災研究者の片田敏孝さんは、群馬大学の教授として東日本大震災で多くの子供たちを救うことになった教育を行い、全国で活躍しています。また、田原市の廃棄物リサイクルの拠点となっている炭生館を設計したメタウォーター株式会社の小泉一博さんはプラントエンジニアです。これらの先輩を一例として、多くの卒業生が、それぞれの分野で技術を守り、育てているのは本学の誇りです。

少し歴史を振り返ってみます。本学が開学した1970年代は、世界の各地で大学が揺れた時代でした。その中で、本学が豊橋に設置されたのは、地元の若き産業人達の尽力の賜物です。本学の特別顧問を務めていただいている神野信郎さんは、その中心となり、理工系大学の誘致というテーマを技術科学大学の誘致へと結びつけました。同時に、国にあっても、高等専門学校の重要な役割を深く理解して、豊橋での設立に支援を惜しまなかった、開学時の文部大臣であった永井道雄さんをはじめとする理解者の存在も大きな力でした。本日は、夫人の永井美智子さんにもご列席いただいています。
初期の頃の学生だった皆さんに話を伺うと、校舎も建ちきらず、校庭の舗装もままならずに長靴で登校した経験談がよく出てきます。しかし、向学心は旺盛で、寝食を忘れて勉学に打ち込んだとのことです。地元をはじめとする多くの方々の開学への努力に応える、こうした学生や教職員の努力があったからこそ、今日40周年の式典を、こうして盛大に開催できることになりました。

開学以来の活動の成果は、本学の技術科学的アプローチに対して、種々の競争的な資金が与えられるという形で表れています。30周年から40周年の10年間で、本学は文部科学省が進める4つの教育・研究の推進に関する事業に採択されました。2012年に採択されたのが、国立大学改革強化促進事業です。ここでは、長岡技術科学大学、国立高等専門学校機構とともに、国際化とイノベーションを進めてきました。2013年には、研究大学強化促進事業と博士課程教育リーディングプログラムに採択されました。前者は全国の国公私立大学から19校が選ばれたもので本学のEIIRIS・エレクトロニクス先端融合研究所を中心とした研究成果が高く評価された結果です。後者は、21世紀COEやグローバルCOEの実績によって、「脳科学」の分野での博士課程教育プログラムを実施することになりました。更に、2014年には、大学の国際化を進めるためのスーパーグローバル大学創成支援事業に採択されたのです。
これらに、加えて、今年度からは、産業界など外部機関との共同研究を推進するために、学内に協働研究組織として技術科学イノベーション研究機構を発足させました。機構は、本学の研究者と、外部機関の研究者がそれぞれの研究蓄積や研究資源を持ち寄って協働して研究を進めようという構想の下で生み出されたものです。既に16の研究プロジェクトが動き始めています。

これらのプログラムを推進しながら、本学が現在もっとも力を入れているテーマは、「国際化」です。国際化は日本のすべての大学の課題ともなっています。日本で行う教育や研究が正当に評価されるためには、国際的な舞台で、その質の高さを示していくことが不可欠と考えられているからです。そのためには、国際的な共通語になっている英語でカリキュラムや研究成果の相当部分を表現することが必要となります。本学では、これまで手掛けてきた国際化促進の諸活動をさらに発展させて、各国の若者に、本学のカリキュラムや研究内容を理解してもらい、本学へ学びに来てもらいたいと考えています。
国際化の具体的な取り組みの一つに、マレーシアに設置した本学の教育拠点があります。既に多くの学生がペナンでの活動を体験しています。もちろんこうした交流を、中国、アメリカ、インドネシア、ベトナム、タイ、ドイツ、フィンランド等の諸国との間でも発展させたいと思っています。さらに、スーパーグローバル大学創成支援事業では、本学により多くの留学生を迎え、バイリンガルによって教育・研究を行い、今年から建設が始まったシェアハウス型の学生宿舎で多国籍の学生が多文化共生の精神で学生生活を送る環境を整えようとしています。

開学40周年の記念事業についてご報告します。今年初めから、1億5千万円を目標に、募金活動を進めてきました、お陰様で、地元をはじめとする企業の皆さん、卒業生、保護者、教職員の協力で、現在までに、目標を上回るおよそ2億3千万円のご寄附を頂戴、またはお約束いただくことができました。誠にありがとうございます。これらの資金は、当初の計画通り、本学の教育・研究環境の充実、ロボットコンテストでの活躍に象徴される学生の課外活動の活発化、さらに学外の皆さんとの共同研究の推進などに充てていきます。
その中の一つである本学図書館の部分改修事業が既に始まりました。ここでは、文部科学省に認めていただいた改修事業に加えて、本学の資金とご寄附いただいた資金を併せて、研究者、学生、企業、地元の皆様が交流しながら、新たな知識や技術を生み出す場を創り出そうとしています。

結びになりますが、本日の記念式典には、これまで本学の発展を支えてきた指導者、教職員のOBの方々、卒業生も多数見えています。40年の歴史の一コマ一コマにおける皆様のご努力に改めて感謝申し上げます。また、現役の教職員に加えて、多数の学生諸君にも参加してもらっています。ぜひ、諸先輩の努力を引き継いで本学を発展させていきましょう。

ご清聴ありがとうございます。

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