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鈴木章 氏(北海道大学名誉教授)を講師に迎え、豊橋技術科学大学プレステージレクチャーズを開催しました。

イベント報告 | 2016年7月20日


6月30日に、2010年にノーベル化学賞受賞された北海道大学名誉教授 鈴木章氏をお迎えし、豊橋技術科学大学プレステージレクチャーを兼ねて、博士課程教育リーディングプログラム、平成28年度バトンゾーン特論講義、「有機ホウ素化合物を用いるクロス・カップリング反応: C-C結合の容易な合成法」を実施しました。
この講演は博士課程リーディングプログラム履修生の企画によって開催され、鈴木氏のご講演に先立って、このプログラムの紹介や履修生による研究のポスター発表も行われました。

鈴木氏は、冒頭、数学を得意とされたご自身が、有機化学の教科書との出会いを通じて有機合成化学という化学の中でも最も数学から遠いと言われる分野に進まれた経緯を語り、次に現在では氏のお名前を冠して「鈴木カップリング」と呼ばれる容易で安定な炭素-炭素結合形成法について話されました。有機ホウ素化合物とパラジウム触媒の利用に加えて、塩基の存在が従来難しいと言われてきた炭素-炭素結合の形成のポイントとなったことを、いろいろな反応例を構造式を使って解説されました。21世紀に入ってから何千報もの論文や特許に鈴木カップリングが記されていることを示され、この炭素-炭素結合形成法の発見を契機に鈴木カップリングが様々な有機化合物の合成に使われたことを話されました。続けて鈴木カップリングが医薬品、農薬、液晶、有機LEDなど様々な有用物質の合成に使われていることを示されました。特にご自身が服用している高血圧の薬が鈴木カップリングを使って作られていることなど、会場の笑いを誘いながらわかりやすく話されました。最後にノーベル賞授賞式の様子や受賞メダルの写真を示しながら、まさにノーベル賞受賞者にしか語れないエピソードなどを紹介されました。会場いっぱいの約400人の聴衆一同、鈴木氏のお話しに魅了されました。
講演会後に開催されたスーパリーダー塾では、次々と出る学生の質問に丁寧にお答えになり、研究を長年にわたって継続することの重要性を特に強調されました。参加した多くの学生にとって鈴木氏との時間を共有できた楽しい座談会となりました。

プレステージレクチャーズ

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