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豊田章一郎氏(トヨタ自動車株式会社名誉会長)を講師に迎え、第23回榊プロデュースプレステージレクチャーズを開催しました。

イベント報告 | 2012年12月19日


 講演する豊田氏
 
 講演の様子
 

12月1日に、トヨタ自動車株式会社名誉会長豊田章一郎氏をお迎えして、豊橋市内の「ホテルシーパレスリゾート」を会場に、豊橋商工会議所創立120周年記念講演会が本学榊プレステージレクチャーズとの協賛の元に開催されました。

 

今回の講演は、『研究と創造 ―モノつくりの原点― 』と題して、豊田佐吉翁の苦労や父豊田喜一郎氏の国産自動車作りにかけた情熱などを織り交ぜ、豊田名誉会長が車ととともに歩まれた60年を振り返りながら、モノつくりの原点をご講演されました。

 

湖西の一大工の長男に生まれた祖父の豊田佐吉は、母を少しでも楽にさせてあげたいという一途な思いで機織り機の開発に打ち込み、毎日の創意工夫の積み重ねによりやがて豊田式自動織機を完成させました。この佐吉翁の情熱を支えたものは「産業報国」という信念であり、日本を欧米のように豊かな国にしたいという強い志でした。

 

自動織機の特許の英国プラット社への譲渡金を元手にして、父豊田喜一郎氏は、日本人の頭と腕による純国産乗用車つくりに情熱を燃やし、これによって国の発展に貢献しようと考えました。無いものは全て自分で開発をしていくという姿勢を貫きました。志半ばで世を去った豊田喜一郎氏の遺志を継ぎ、豊田名誉会長は世界に通用する量産車つくりに邁進しました。その中で、モノつくりの原点というべき、お客様第1主義、現地現物主義、良いものを安く作る、品質は工程で作り込む、絶えざる技術革新、モノ造りは人つくり、原点回帰と言った、今日の「トヨタウエイ」を完成させました。今日、世界の多くの製造業がこの「トヨタウエイ」を研究し、手本とするようになっています。


今、国はいろいろな意味で正念場を迎えていますが、モノつくり8重苦を乗り越える気概、世界の中の日本と言う視点、奇しくもこれは、祖父豊田佐吉翁が後年残した「障子を開けてみよ。外はひろいぞ。」と言う金言を残し、井の中の蛙になることを戒めたことでもあります。そして、国内事業を守り抜く気概、世界の自動車事業をリードする気概が重要であることを熱く話されました。


「モノつくり博 in 豊橋2012」と併設で開催された講演会として、核心を突いた素晴らしい講演をいただきました。約350名強の聴講の方々にも深い感銘を与える講演でした。

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