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愛知県立西尾高等学校の学生が本学で"視覚神経メカニズム"について学びました。

トピックス | 2012年8月21日


 

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                        Adelson (MIT)図:錯視の例

                    (AとBのタイルのRGB値は同じ)

 
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         左の点を右眼単眼で見たときの盲点の広がり。
        実験では用紙を180度回転させ、方眼紙の各点

        を見た時に黒点が見えるかどうかを○×で記録

         しました。

 
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            コントラスト感度の細かさ特性を示す絵。
          縞模様の白黒の強さは横方向に一定だが
        一つ山の輪郭(ピンクの点線)が感じられる。    

                      これは視覚の特性である。

 
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空間周波数を弁別する実験に用いたテスト画像

8月17日に愛知県立西尾高等学校の2年生・3年生7人が本学に訪れ、エレクトロニクス先端融合研究所鯉田孝和テニュアトラック准教授による授業「錯視と順応で視覚神経メカニズムに迫る」を受講しました。

この企画は、(独)科学技術振興機構(JST)が児童生徒の科学技術、理科、数学に対する興味・関心と知的探究心の育成等を目的として実施する「サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト(SPP)」に西尾高校が採択され、本学と連携して開催したものです。

午前中の授業では、テレビ番組などでも時折、話題として取り上げられている“錯視(視覚が引き起こす錯覚)”や”残効”について、右図のようないくつかの図を見ながら、実際の色や大きさ、動き、形が異なるように認識されることを、デモを通じて体験しました。そして錯視には“視覚神経メカニズム”が大きく関与しており、網膜から入った視覚情報が視神経から脳へと伝達・処理される過程で、外界をより正しく効率よく理解するための働きがあることを学びました。


 高校生7名は、講義が始まるまでは緊張の面持ちでしたが、このような不思議な現象と脳の働きに触れ、目付きが変わっていたようでした。

次に、午後にかけての授業では実習を中心に行いました。大学院生のサポートを受けながら7名の生徒それぞれが方眼紙を使って目の盲点のマッピングを行い、目の網膜上には光を感じることができない場所があることを確かめました。盲点領域の内側に絵を描いて観察すると、絵が完全に見えなくなるだけでなく、方眼紙の模様が盲点領域にも一様に広がっているかのように知覚されることを確かめました。

また、左右2つの縞模様による順応刺激後のコントラスト感度の変化を、何パターンもテストしながらデータを記録し統計を取ることで、縞模様の細かさによって神経細胞のコントラストの感度が異なることを実習しました。また、実習で得られたデータが“科学的に確かである”と言えるためには、どの程度、多くの統計を取るべきか等、研究を進める上での“心得”も含めて学べる1日となりました。

講義後にはエレクトロニクス先端融合研究所(EIIRIS)の施設見学も行われ、見学後には参加した生徒から、授業の内容や施設についての質問のほか、鯉田テニュアトラック准教授がこのような研究に興味を持った理由や、高校で学んでいることを大学でどう生かすことができるかなど、ざっくばらんに質問が出され、高校では味わえない経験に刺激を受けただけでなく、大学生活へのイメージを膨らませているようでした。

豊橋技術科学大学では、今後も高等学校と連携した取り組みを進めていきます。

 

 

   

 

 

 

 

 

 

     
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 錯視を体験している様子  

                施設見学後に質問する生徒たち

 

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