平成24年度テーラーメイド・バトンゾーン講義『開発リーダー特論』 第2講義を開催しました。
イベント報告 | 2012年5月14日
講演する藤原氏 |
講演の様子 |
5月10日に、株式会社ブロードバンドタワーズ代表取締役会長兼社長CEO、株式会社インターネット総合研究所代表取締役所長の藤原 洋氏を昨年度に引き続いて講師に迎え、平成24年度テーラーメイド・バトンゾーン講義『開発リーダー特論』第2講義を開催しました。
今回の講義は、『技術者・企業家として生きる』と題して、大学を卒業後、就職、転職、起業、経営のご自身の経験に基づき、技術を極めること、組織に属すること、組織を作ること、起業を創ることのそれぞれの意味について講演いただきました。
また、3.11の真の問題点を明確にして今後の国の在り様を示すために、前JST理事長の中澤宏一先生を代表とする民間調査委員会活動を進める社団法人日本再建イニシアティブの設立や、国の予算の乏しい宇宙探索基礎研究を支えるための財団法人宇宙科学研究イニシアティブの設立、また日本数学界藤原洋学術賞の創設などの、ご自身の手による社会貢献活動とその意味についてもお話しいただきました。
ご経験の中から得られた教訓として、就職は、給料の高さで決めてはいけない、仕事を通して常に最先端技術を学ぶ姿勢が重要である、開発した技術はそれが世の中で使われ、初めて技術を極めたことになる、そこまで自らが頑張らねばいけないそして背伸びしてもビッグプロジェクトの責任者は引き受けるべき、など具体的にお話されました。
また、自分のやるべき仕事ができないもしくは場違いのところにいると気づいたときには自ら起業すればよいと話されました。自身の起業ならびに経営のご経験から、これからはフレキシビリティのあるネット型経営が重要なモデルになる、思いもかけない原因で企業価値を失わされることもあるが、企業経営の基本として、常に革新技術を担い、時代と社会に変化を起こす産業革命の担い手になろうという気概を持つこと、知恵を絞ること、逃げない、隠さないそして嘘をつかないことが最後は成功につながることなどを熱く語っていただきました。
最後にご自身の手掛けておられる幾つかの社会貢献の具体例をあげられ、それらが福島第1原子力発電所事故の真因究明とそれに基づく国の針路を見定めること、基礎科学研究への惜しみない支援をすることで、大きな意味でエネルギーと環境の第4次産業革命の成功を目指していることを語られました。
聴講者には、「世の中は甘くない、ここ一番と言うときには歯を食いしばって、知恵を絞って頑張ることが大切である」という強いメッセージが伝わり、まさに、テーラーメイド・バトンゾーン教育にふさわしい内容の講義でした。