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4月4日に平成24年度豊橋技術科学大学入学式を挙行しました。

イベント報告 | 2012年4月 4日


   

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   入学生宣誓
   
   

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   学長式辞
   
   

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   入学生歓迎演奏
   

4月4日に平成24年度大学院および学部入学式をライフポート豊橋にて挙行しました。

 

入学生全員の名前が読み上げられた後、榊佳之学長から学部入学490名(第1年次81名、第3年次409名)、大学院博士前期課程431名、大学院博士後期課程18名が入学許可されました。

学長からの式辞は次のとおりです。

 

皆さん、ご入学おめでとうございます。本学の全教職員、在校生一同を代表してお祝いと歓迎の意を表します。また、ご家族や関係者の方々にもお祝いを申し上げます。


さて、皆さんは将来、技術や科学を通して社会に貢献したいとの志をもって本学に入学されたことと思います。本学も皆さんを社会の期待に応える人材に育てることを使命と考えていますが、皆さんには大学、或いは大学院でのこれからの数年間が皆さんの人生において2つの観点からとても大切な時期であることを心に留めて過ごしてほしいと思っています。先ず、この時期は将来、社会に出て技術科学の専門家、即ちプロとして独り立ちするための重要な準備・訓練を受ける期間であると言うことです。またもう一つは、皆さんの年代は青年期からひとりの大人、社会人へと成長する大切な時期でもあるということです。一人の自立した社会人となるために社会の規律を身につけると共に、豊かな人間性、感性を養うことが求められています。皆さんがこの2つの点に留意し、これからの大学生活を有意義で実りあるものとして過ごされることを期待しています。


さて、この2点についてもう少し詳しくお話ししたいと思います。先ず、専門家への準備についてです。皆さんに期待されている「専門家」とは何でしょうか。例えば、皆さんは携帯電話やパソコンをお使いでしょう。キーボードやタッチパネルを操作して情報の交換、収集をしたり、ゲーム機能で楽しんだり様々に活用されていることでしょう。使い方に精通されている方も少なくないでしょう。しかし皆さんに求められているのは「使い方のプロ」ではないのです。皆さんに求められているのは携帯電話やパソコンを動かしているエレクトロニクスの原理や、使われている機能材料の特質、情報処理の理論など理解し、次世代の情報通信機器を開発できるような高い専門性、研究開発力を備えたプロになることです。物事にその根本、根源に立ち返って取り組める人材です。ここには学部の学生諸君、学部を終えて大学院の前期課程、いわゆる修士課程で学ぶ諸君、大学院の後期課程、いわゆる博士課程に進学した諸君など様々ですが、それぞれに目指すレベル、求められるものが違います。すなわち、学部では基礎力しっかり身につけること、修士では課題解決能力を、博士では創造的な研究開発力を養成することが求められます。学問は積み上げですから、学部での基礎学問の習得は特に大切ですが、そこでは本学のアドミッションポリシーにもある「自ら積極的に学び、考える」姿勢で臨むことが肝要です。すなわち、講義で習ったことの意味を一歩踏み込んで考えることで、単なる知識や数式や原理を知っている、使えるだけでなく、それを様々な問題にまで展開できる深い理解力が育つのです。この学部で習得した基礎力を基に実社会で様々な課題に応用し、自ら課題解決できる力を養うのが修士課程です。更に、博士後期課程では与えられた課題ではなく、学問や社会の根源に立ち返って何が今解くべき課題を自ら考え、新しい時代を拓く開拓力・創造力を磨くことが求められます。 


さて、今、日本社会は様々に困難な問題を抱え、そしてその解決には科学や技術が大きな役割を果たさなければなりません。このような社会への影響力を持った科学や技術に携わる人々には深い専門性だけでなく、物事に対して幅広いものの見方、判断力を持つことも求められています。このような人材は「T型」とも呼ばれます。縦の棒が深い専門性、横の棒が幅広い見識を示します。自らの学ぶ学問、開発する技術が社会にどのように結びついているのか、どのような意義があるのかを認識し、自分が社会に何をできるのかを考えて学問に臨むことが求められているのです。物事への幅広い視野や洞察力は誰かから教えられるものではなく、自ら進んで努力し、習得するものでありますが、本学ではその助けになるようなプログラムをいくつも用意しています。その一つが「テーラーメイド・バトンゾーン教育プログラム」です。そこでは産業界や学界で活躍されるトップリーダを招いての特別講義が行われ、豊かな社会経験と深い見識に基づいた、熱いメッセージが学生諸君に伝えられています。その素晴らしい内容を本学で学ぶ全ての皆さんに知ってもらいたいとの思いから、読みやすい新書版の書籍として「明日への教科書」というタイトルで出版しました。今回、入学される皆さんにはこの「明日への教科書」を副読本としてお渡しすることとしました。たくさんの示唆に富む内容が盛り込まれています。できるだけ早い時期に目を通しみて下さい。新たな勉学へのモチベーションを高めてくれることと思います。


さて、はじめに申し上げた、大学生活でのもう一つ大切な観点は、今が青年期からひとりの大人、社会人へと成長する大切な時期であると言うことです。一人の自立した社会人となるために社会の規律を身につけると共に、豊かな人間性、賢明な判断力を養うことが求められています。この社会人、大人への成長は過去の歴史や思想家の書物、文学や芸術などを通して学ぶことも多々ありますが、より実践的に課外活動などを通して友人、先輩や市民の方々など多様な人々、多様な考え方、価値観との交流の中で養われていく面が多いように思います。本学では優れた課外活動、社会活動をしているグループや個人がたくさんいます。皆で大学や社会を良くしていこう、盛り上げようという前向きの姿勢を見ることができ、うれしく、また頼もしく感じています。例えば、本学の学生が主体となって渥美半島の砂浜数十キロを清掃する表浜ブルーウォークというグループの活動もはじめは小さな活動でしたが今では東海地方の大学生が延べ700人も集まる活動に成長し、昨年に中日新聞社賞の表彰も受けています。 この他、一つ一つ名前は挙げませんが、様々な活動を通して自分たちが暮らす大学、社会を自分たちでよくしていこうという意識、感性を持った学生たちが本学にたくさんいることは誠に喜ばしく、頼もしいことです。本学に入学された皆さんも積極的に課外活動などに参加し、様々な出会いを経験し、先輩たちの素晴らしい姿勢、心意気に大いに学び、大きく成長されることを期待しています。

終わりにあたりもう一度繰り返しますが、皆さんが本学でこれから過ごす数年間は将来、社会に出て技術科学の専門家、即ちプロとして活躍するための重要な準備。訓練期間であること、また、青年期から大人、社会人へと成長する大切な時期でもあるということをしっかりと心に留め、充実した大学生活を送られることを祈念して私のお祝いの挨拶とします。
 

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