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3月23日に平成23年度豊橋技術科学大学修了式・卒業式を挙行しました。

イベント報告 | 2012年3月23日


 

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  学位記授与  
     
 

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  学長式辞  
     
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  答辞  
     
 

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  祝賀演奏  
     

3月23日に平成23年度大学院修了式・学部卒業式をアイプラザ豊橋にて挙行しました。


本年度修了式・卒業式より、学長及び博士後期課程修了者はアカデミックガウンを着用し、式に臨みました。

式では、榊 佳之学長から、博士後期課程修了生24名、博士前期課程・修士課程修了生387名、学部卒業生451名に学位記が授与されました。
 

学長からの式辞は次のとおりです。

 

皆さん、ご卒業、誠におめでとうございます。本学の全教職員、在校生一同を代表致しましてお祝いを申し上げます。また卒業生の皆さんが今日の日を迎えられますのはご家族や恩師をはじめ沢山の方々支えがあってのことであります。卒業生の皆さんはご家族、恩師をはじめお世話になった方々に感謝の気持ちを込めてこの式に臨んでほしいと思います。

さて、卒業は日本では「門出」、英語でもcommencement, 即ち「始まり」を意味する表現を使います。皆さんにとって今日は所定の学業を習得、修了され、次への新しい一歩を踏み出される、誠におめでたい日であります。しかしその第一歩を踏み出す日本社会は今、大変に困難な時代にあることはご存知の通りです。もっともそれは希望のない時代ではありません。前の東大総長の小宮山宏先生は今の状況を「課題先進国日本」と表現しました。今我々が直面している問題はいずれどの国もが抱える問題であり、日本はこの困難な諸問題を乗り越えて21世紀型の社会を構築しつつある先進国であると言っています。今は新しい挑戦の時代であると言っているのです。勿論挑戦には多くの困難が伴います。今日新しい挑戦への第一歩を踏み出される皆さんはそれなりの心構えを持ってスタートを切ることが大切です。そこで、挑戦する皆さんにエールを込めて3つのことをお話ししたいと思います。


1つは、社会の一員として新しい社会を創る力になるとの高い志を持って第一歩を踏み出してほしいこと、
2つ目は、高度に発展した今日社会での技術者、科学者としての社会的責任を自覚して歩んでほしいこと、
そして、最後に、皆さんの活躍する場は日本だけでなく世界に拡がっていること、です。

先ず、最初に申し上げたいのは、新しい社会の構築に挑むと言う志を持つことです。日本は昨年の3.11の東日本大震災や福島原発事故の放射線の深刻な影響、長期的な少子高齢化の進行などの国内問題に加え、国際社会との関係を見ても新興国の大々的な発展や著しい人口の増加などによって国際的な産業競争の激化、エネルギー・資源問題、食糧問題、地球規模の環境問題など大きな問題が顕在化しています。これらは日本社会のみならず人類社会のあり方の根幹に関わる問題であります。これからは20世紀に繁栄を謳歌した成長拡大型社会とは異なる21世紀型の持続発展型の社会を構築しなければならないことを誰しもが感じています。そしてはっきりしているのは、この新しい社会の構築には社会全体で立ち向かわなければならないこと、そして特にそこでは皆さんが専門とする科学や技術が重要な役目を果たすことです。既に持続的発展社会を目指して様々な分野で新しい技術開発への挑戦が進みつつあります。それらの技術はまだ社会の姿を変える程には育っていませんが、徐々に大きな力になりつつあります。皆さんは本学で最先端の技術科学を学ばれ、専門家、プロとなる教育訓練を受けられました。それがこれから実社会の中でどのように生かせるかはそれぞれに置かれた立場では異なりましょうが、大切なことは皆さんが科学技術の専門家として困難な課題に挑み、新しい社会を創る力になるとの強い気持、志を持って歩まれることです。社会もそれを期待しています。


2つ目は技術者、科学者の社会的責任の自覚です。現代社会は高度な技術に支えられた複雑な社会であり、技術者、科学者はそれを支える重要な役割を担っているのです。技術は大きな力を持っています。携帯電話を例に挙げれば一つの技術がここ10数年で社会の人と人のつながり、情報の流れを一変させました。一方、原発事故のように高度技術のトラブルが社会全体に大きな影響を与え、時には社会を滅ぼすほどのこともありうることも認識しなくてはなりません。昨年の福島原発の事故は今日の社会を支えてきた科学や技術への信頼を大きく揺るがせ、クリーンエネルギーとして期待されていた原子力発電全体にブレーキをかけ、日本ばかりでなく世界のエネルギー政策、環境政策にまで大きな影響を与えることとなりました。誠に残念です。皆さんは技術科学の専門家として今日の社会を支えている高度な技術を担うことへの誇りとともに、社会への責任を負っていることも自覚して歩まなければなりません。


3つ目は世界に目を向けることです。私が学生であった頃は太平洋をノンストップで越えてアメリカに行く飛行機もない時代で、海外での留学や仕事にあこがれても容易には実現しない時代でした。今は航空機の発達、衛星放送やインターネットなどの情報通信技術の発達により海外での留学や仕事がずっとやりやすい環境となっているのに若い人が海外留学や海外勤務へ行こうとしないと言われています。しかし今日のグローバル化した世界では企業は積極的に海外進出を進めています。今や世界と一体となって動いていると言えるでしょう。生産コストや市場を考えれば企業がグローバルに展開するのは当然でしょう。日本はグローバル社会の一員として成り立っているのです。皆さんも海外での仕事を躊躇してはなりません。海外には日本よりずっと皆さんの才能を発揮できる場や環境があるように思います。私は本学と関係の深いインドネシア、ベトナム、マレーシアなどをまわりましたが、そこでは今日よりも明日への希望に満ちたエネルギーを感じました。世界の若者はよい意味で貪欲です。皆さんもそのような中で切磋琢磨することで一段とたくましくなると思います。先日東京で行われたGCOEのシンポジウムで欧米で活躍する皆さんの若い先輩2人の発表を聴きましたが見事でした。グローバルな視野を持って仕事をしている様子は頼もしくまたうれしく感じました。皆さんも臆することなく世界を視野に入れて活躍されることを期待しています。 

少し長くなりましたが、皆さんが21世紀型の新しい社会の構築に挑戦するとの高い志を持ってこれからの人生を力強く生きられることを祈念しています。


卒業おめでとう!!
 

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