豊橋技術科学大学における人を対象とする研究規程

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豊橋技術科学大学における人を対象とする研究規程
(平成28年3月22日規程第77号)
(趣旨)
第1条 この規程は,人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(令和3年文部科学省・厚生労働省・経済産業省告示第1号。 以下「指針」という。)に基づき,豊橋技術科学大学(以下「本学」という。)における人を対象とする研究(以下「研究」という。)が,人間の尊厳及び人権を尊重し,かつ科学的にも適正に実施されることを目的として,必要な事項を定める。
2 研究の計画及び実施については,指針及びその他別段の定めのあるもののほか,この規程の定めるところによる。
(定義)
第2条 この規程における用語の定義は,指針に定めるもののほか,次の各号に定めるところによる。
(1)研究対象者 次のいずれかに該当する者(死者を含む。)をいう。
イ 研究を実施される者(求められた者を含む。) 
ロ 研究に用いられることとなる既存試料・情報を取得された者 
(2)研究責任者 研究に関する十分な知識及び経験を有する者であって,研究を立案し実施に携わるとともに,当該研究に係る業務を統括する者をいう。
(3)研究者等 研究責任者その他の研究の実施(試料・情報の収集・提供を行う機関における業務の実施を含む。)に携わる関係者(研究分担者のほか,本学において研究の技術的補助や事務に従事する職員も含む)をいう。ただし,研究機関に所属する者以外であって,次のいずれかに該当する者は除く。
イ 新たに試料・情報を取得し,研究機関に提供のみを行う者 
ロ 既存試料・情報の提供のみを行う者
ハ 委託を受けて人を対象とする研究に関する業務の一部についてのみ従事する者
(4)所属長 所属する系長,総合教育院長,研究所の長又は共同利用教育研究施設の長をいう。
(5)侵襲 研究目的で行われる,穿刺,切開,薬物投与,放射線照射,心的外傷に触れる質問等によって,研究対象者の身体又は精神に傷害又は負担が生じることをいう。なお,侵襲のうち,研究対象者の身体又は精神に生じる傷害又は負担が小さいものを「軽微な侵襲」という。
(6)介入 研究目的で,人の健康に関する様々な事象に影響を与える要因の有無又は程度を制御する行為をいう。
(7)人体から取得された試料 血液,体液,組織,細胞,排泄物及びこれらから抽出したDNA等,人の体の一部であって研究に用いられるもの(死者に係るものを含む。)をいう。
(8)研究に用いられる情報 研究対象者の診断及び治療を通じて得られた傷病名,投薬内容,検査又は測定の結果等,人の健康に関する情報その他の情報であって研究に用いられるものをいう。
(9)インフォームド・コンセント 研究対象者又はその代諾者等が,実施又は継続されようとする研究に関して,当該研究の目的及び意義並びに方法,研究対象者に生じる負担,予測される結果(リスク及び利益を含む。)等について十分な説明を受け,それらを理解した上で自由意思に基づいて研究者等に対し与える,当該研究を実施又は継続されることに同意することをいう。
(10)代諾者 研究対象者の意思及び利益を代弁できると考えられる者であって,当該研究対象者がインフォームド・コンセントを与える能力を欠くと客観的に判断される場合に,当該研究対象者の代わりに,研究者等に対してインフォームド・コンセントを与えることができる者をいう。
(11)個人情報 生存する個人に関する情報であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日,その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ,それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。
(12)匿名化 特定の個人を識別することができることとなる記述等の全部又は一部を取り除き,代わりに当該個人と関わりのない符号又は番号を付すことによって,特定の個人を識別できないようにすることをいう。
(13)研究機関 人を対象とする研究を実施する法人若しくは行政機関又は人を対象とする研究を実施する個人事業主をいう。ただし,試料・情報の保管,統計処理その他の研究に関する業務の一部についてのみ委託を受けて行われる場合を除く。
(14)共同研究機関 研究計画書に基づいて共同して人を対象とする研究が実施される研究機関(当該研究のために研究対象者から新たに試料・情報を取得し,他の研究機関に提供を行う研究機関を含む。)をいう。
(15)研究協力機関 研究計画書に基づいて人を対象とする研究が実施される研究機関以外であって,当該研究のために研究対象者から新たに試料・情報を取得し(侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴う試料の取得は除く。),研究機関に提供のみを行う機関をいう。
(16)試料・情報の収集・提供を行う機関 研究機関のうち,試料・情報を研究対象者から取得し,又は他の機関から提供を受けて保管し,反復継続して他の研究機関に提供を行う業務を実施するものをいう。
(17)多機関共同研究 一の研究計画書に基づき複数の研究機関において実施される人を対象とする研究をいう。
(18)研究代表者 多機関共同研究を実施する場合に,複数の研究機関の研究責任者を代表する研究責任者をいう。
(適用範囲)
第3条 この規程は,本学において実施されるすべての人を対象とする研究及びヒトゲノム・遺伝子解析研究について適用する。
(学長の責務)
第4条 学長は,実施を承認した研究について,適正に実施されるよう必要な監督を行うとともに,最終的な責任を負うものとする。
2 学長は,研究の実施に携わる関係者に,研究対象者の人権と尊厳を尊重し,安全に配慮して研究を実施することを周知徹底し,教育・研修の機会を設けるための措置を講じなければならない。
(研究倫理審査委員会の設置)
第5条 本学に,研究の適切な実施を確保するため,人を対象とする研究倫理審査委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会に関し,必要な事項は別に定める。
(研究者等の責務)
第6条 研究者等は,研究対象者の生命,健康及び人権を尊重して,研究を実施しなければならない。
2 研究者等は,研究を実施するに当たっては,原則としてあらかじめインフォームド・コンセントを受けなければならない。
3 研究者等は,研究対象者又はその代諾者等(以下「研究対象者等」という。)及びその関係者からの相談,問合せ,苦情等(以下「相談等」という。)に適切かつ迅速に対応しなければならない。
4 研究者等は,研究の実施に携わる上で知り得た情報を正当な理由なく漏らしてはならない。研究の実施に携わらなくなった後も,同様とする。
5 研究者等は,研究に関連する情報の漏えい等,研究対象者等の人権を尊重する観点又は研究の実施上の観点から重大な懸念が生じた場合には,速やかに学長及び研究責任者に報告しなければならない。
6 研究者等は,法令,指針等を遵守し,委員会の審査及び学長の許可を受けた研究計画書に従って,適正に研究を実施しなければならない。
7 研究者等は,研究の倫理的妥当性若しくは科学的合理性を損なう事実若しくは情報又は損なうおそれのある情報を得た場合には,速やかに研究責任者に報告しなければならない。また,研究の実施の適正性若しくは研究結果の信頼を損なう事実若しくは情報又は損なうおそれのある情報を得た場合についても同様とする。
(教育・研修)
第7条 研究者等は,研究の実施に先立ち,研究に関する倫理並びに当該研究の実施に必要な知識及び技術に関する教育・研修を受けなければならない。また,研究期間中も適宜継続して,教育・研修を受けなければならない。
(研究責任者の責務)
第8条 研究責任者は,研究の実施に先立ち,研究計画承認申請書(別記様式第1号)に研究計画書(別記様式第2号)を添えて,学長に提出し,許可を求めなければならない。承認を受けた研究計画を変更する場合も同様とする。ただし,日本国外において研究を実施する場合であって,指針の規定と比較して,実施地における法令,指針等の基準が厳格と委員長が判断した場合は,指針に代えて当該実施地の法令,指針等の基準によるものとする。なお,その場合は,研究計画承認申請書(別記様式第1号)に,実施地において承認を得たことがわかる書類及び研究計画書の写しを添えて,学長の許可を求めるものとする。
2 研究責任者は,研究の倫理的妥当性及び科学的合理性が確保されるよう,研究計画書を作成しなければならない。また,研究計画書の作成に当たって,研究対象者への負担並びに予測されるリスク及び利益を総合的に評価するとともに,負担及びリスクを最小化する対策を講じなければならない。
3 研究責任者は,第11条の規定により,研究の概要その他の研究に関する情報を適切に登録するとともに,研究の結果については,これを公表しなければならない。
4 研究責任者は,研究計画書に従って研究が適正に実施され,その結果の信頼性が確保されるよう,当該研究の実施に携わる研究者をはじめとする関係者を指導・管理しなければならない。また,自ら,研究の実施に係る必要な情報を収集するなど,研究の適正な実施及び研究結果の信頼性の確保に努めなければならない。
5 研究責任者は,研究の倫理的妥当性若しくは科学的合理性を損なう事実若しくは情報又は損なうおそれのある情報であって研究の継続に影響を与えると考えられるものを得た場合には,遅滞なく,学長に対し報告し,必要に応じて,研究を停止し,若しくは中止し,又は研究計画書を変更しなければならない。また,研究実施の適正性若しくは研究結果の信頼を損なう事実若しくは情報又は損なうおそれのある情報を得た場合には,速やかに学長に報告するとともに,必要に応じて,同様の措置を講じなければならない。
6 研究責任者は,当該研究により期待される利益よりも予測されるリスクが高いと判断される場合又は当該研究により十分な成果が得られた若しくは十分な成果が得られないと判断される場合には,当該研究を中止しなければならない。
7 研究責任者は,研究計画書に定めるところにより,研究の進捗状況及び研究の実施に伴う有害事象の発生状況を学長に報告しなければならない。なお,重篤な有害事象の発生を知った場合は,速やかに,必要な措置を講じなければならない。
8 研究責任者は,研究を終了(中止の場合を含む。以下同じ。)したときは,研究完了報告書(別記様式第3号)により,学長に必要な事項について報告しなければならない。
9 研究責任者は,他の研究機関と共同で研究を実施する場合には,共同研究機関の研究責任者に対し,当該研究に関連する必要な情報を共有しなければならない。
10 研究責任者及び研究者等は,地域住民等一定の特徴を有する集団を対象に,当該地域住民等の固有の特質を明らかにする可能性がある研究を実施する場合には,研究対象者等及び当該地域住民等を対象に,当該研究の内容及び意義について説明し,当該研究に対する理解を得るよう努めなければならない。
(多機関共同研究)
第8条の2 他の研究機関との多機関共同研究を実施する研究責任者は,当該多機関共同研究として実施する研究に係る業務を代表するため,当該研究責任者の中から,研究代表者を選任しなければならない。
2 前項で規定する研究代表者は,原則として,多機関共同研究に係る研究計画書について,一の倫理審査委員会による一括した審査を求めるものとする。
(審査の実施)
第9条 学長は,前条第1項に基づき,研究責任者から研究実施の許可を求められたときは,当該研究実施の適否について,委員会に審査を諮問しなければならない。
2 委員会は,前項による諮問があったときは,次の各号の区分により判定を行うものとする。
(1)承認
(2)条件付承認
(3)変更の勧告
(4)不承認
(5)非該当
(学長による許可等)
第10条 学長は,研究責任者から研究の実施の許可を求められたときは,委員会の意見を尊重しつつ,当該研究の実施の許可又は不許可その他研究に必要な措置を決定するものとし,その結果を研究審査結果通知書(別記様式第4号)により,当該研究責任者へ交付するものとする。
2 前項の場合において,学長は,委員会が不承認の判定を行った研究については,その実施を許可してはならない。
3 変更の勧告を受けた研究責任者は,研究計画書の内容を変更の上,改めて学長に申請し,許可を得なければならない。
4 学長は,公衆衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため緊急に研究を実施する必要があると判断する場合には,委員会の意見を聴く前に許可を決定することができる。この場合において,学長は,許可後遅滞なく委員会の意見を聴くものとし,委員会が研究の停止もしくは中止又は研究計画の変更すべきである旨の意見を述べた場合には,当該意見を尊重し,研究責任者に対し適切な対応をとらなければならない。
(研究に関する登録・公表)
第11条 研究責任者は,介入を行う研究を実施する場合は,厚生労働省が整備するデ-タベ-ス(Japan Registry of Clinical Trials:jRCT)等の公開データベースに,当該研究の概要をその実施に先立って登録し,研究計画書の変更及び研究の進捗に応じて適宜更新しなければならない。また,研究を終了したときは,遅滞なく,当該研究の結果を登録しなければならない。ただし,研究対象者等及びその関係者の人権又は研究者等及びその関係者の権利利益の保護のため非公開とすることが必要な内容として,委員会の意見を受けて学長が許可したものについては,この限りでない。
2 研究責任者は,研究を終了したときは,遅滞なく,研究対象者等及びその関係者の人権又は研究者等及びその関係者の権利利益の保護のために必要な措置を講じた上で,当該研究の結果を公表しなければならない。また,侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴い,かつ,介入を行うものについて,結果の最終の公表を行ったときは,遅滞なく学長へ報告しなければならない。
(インフォームド・コンセントを受ける手続き)
第12条 研究者等が研究を実施するときは,指針で規定された手続き等により,インフォームド・コンセントを受けなければならない。
2 研究者等は,次に掲げる全ての事項に配慮した上で,電磁的方法により,インフォームド・コンセントを受けることができる。
(1)研究対象者等に対し,本人確認を適切に行うこと。
(2)研究対象者等が説明内容に関する質問をする機会を与え,かつ,当該質問に十分に答えること。 
(3)インフォームド・コンセントを受けた後も説明事項を含めた同意事項を容易に閲覧できるようにし,特に研究対象者が求める場合には文書を交付すること。
(利益相反の管理)
第13条 研究者等は,研究を実施するときは,個人の収益等,当該研究に係る利益相反に関する状況について,その状況を研究責任者に報告し,透明性を確保するよう適切に対応しなければならない。
2 研究責任者は,商業活動に関連し得る研究を実施する場合には,当該研究に係る利益相反に関する状況を把握し,研究計画書に記載しなければならない。
3 研究者等は,前項の規定により研究計画書に記載された利益相反に関する状況を,指針で規定するインフォームド・コンセントを受ける手続において研究対象者等に説明しなければならない。
(研究に係る試料及び情報等の保管)
第14条 研究者等は,研究に用いられる情報及び当該情報に係る資料(以下「情報等」という。)を正確なものにしなければならない。
2 研究責任者は,人体から取得された試料及び情報等を保管するときは,研究計画書にその方法を記載するとともに,研究者等が情報等を正確なものにするよう指導・管理し,人体から取得された試料及び情報等の漏えい,混交,盗難,紛失等が起こらないよう必要な管理を行わなければならない。
3 学長は,人体から取得された試料及び情報等が適切に保管されるよう必要な監督を行わなければならない。
4 研究の実施に伴って取得された情報が個人情報に該当する場合は,国立大学法人豊橋技術科学大学個人情報管理規程(平成17年3月23日規程第178号)により,適切に取り扱わなければならない。
5 研究責任者は,管理の状況について学長へ報告しなければならない。
6 研究責任者は,侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴い,かつ,介入を行う研究を実施する場合には,少なくとも,当該研究の終了について報告された日から5年を経過した日又は当該研究の結果の最終の公表について報告された日から3年を経過した日のいずれか遅い日までの期間,適切に保管しなければならない。また,連結可能匿名化された情報について,対応表を保有する場合には,対応表の保管についても同様とする。
7 学長は,人体から取得された試料及び情報等を廃棄する場合には,必ず匿名化されるよう監督しなければならない。
(モニタリング及び監査)
第15条 研究責任者は,研究の信頼性の確保に努めなければならず,侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴う研究であって介入を行うものを実施する場合には,学長の許可を受けた研究計画書に定めるところにより,モニタリング及び必要に応じて監査を実施しなければならない。
2 研究責任者は,学長の許可を受けた研究計画書に定めるところにより適切にモニタリング及び監査が行われるよう,モニタリングに従事する者及び監査に従事する者に対して必要な指導・管理を行わなければならない。
3 研究責任者は,監査の対象となる研究の実施に携わる者及びそのモニタリングに従事する者に,監査を行わせてはならない。
4 モニタリングに従事する者は,当該モニタリングの結果を研究責任者に報告しなければならない。また,監査に従事する者は,当該監査の結果を研究責任者及び学長に報告しなければならない。
5 モニタリングに従事する者及び監査に従事する者は,その業務上知り得た情報を正当な理由なく漏らしてはならない。その業務に従事しなくなった後も同様とする。
(規程の改廃)
第16条 この規程の改廃は,国立大学法人豊橋技術科学大学の規則の基準及び制定等に関する規程(平成16年度規程第1号)の規定により,教授会の議を経て学長が行う。
(その他)
第17条 この規程に定めるもののほか,この規程の実施に関し必要な事項は,委員会の議を経て学長が定める。
 
附 則
1 この規程は,平成28年4月1日から施行する。
2 国立大学法人豊橋技術科学大学ヒトを対象とする研究指針(平成17年2月9日制定)及び国立大学法人豊橋技術科学大学ヒトを対象とする研究規程(平成17年2月9日規程第132号)(以下「研究指針等」という。)は,廃止する。
3 この規程の施行前に研究指針等に基づき承認された研究は,この規程により承認されたものとみなす。
附  則(平成28年度規程第9号(平成28年7月13日)) 
 この規程は,平成28年7月13日から施行する。 
附 則(令和3(2021)年度規程第22号(令和4(2022)年3月16日))
1 この規程は,令和4(2022)年3月16日から施行し,令和3(2021)年6月30日から適用する。
2 この規程の施行の際現に改正前の豊橋技術科学大学における人を対象とする研究規程の規定により実施中の研究については,なお従前の例によることができる。